連続増配企業の株価が安くなったところを狙う

「配当+株主優待利回り」にしても、単純に配当利回りにしても、高ければ良いというものではありませんと、お話ししましたが、じゃあ、どういう基準で銘柄を選べば良いのでしょうか。

注目したいのは、連続増配企業と累進配当企業。

連続増配企業は何期にもわたって増配を続けている企業のことで累進配当企業は何期にもわたって減配をしていない企業のことです。

前にも、利益配当金はその会社の純利益の一部を株主に分配するものと言いました。その利益配当金が何期にもわたって増え続けているということは、それだけその会社の業績が伸びていることを意味します。

株式に長期投資する場合のポイントは、持続的に業績が伸びている会社の株式を選ぶことです。

業績が安定的に伸びていれば、多少の上下はあったとしても、株価は徐々に下値を切り上げる形で上昇トレンドを描いていきます。ですから、連続増配しているような会社をまず探し、その会社の株価が下がったところで投資するのです。

ちなみにこの手の会社はインターネットで簡単に見つけることができます。

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連続増配企業の見つけ方

グーグルなどの検索エンジンで「日本企業連続増配・累進配当」と打ち込んで検索すれば、この手の記事などが必ず検索ワードに引っ掛かってきます。こうしてピックアップした会社の株価をフォローしていけば良いでしょう。

株価が下がったところで投資するのは、配当利回りが改善するからです。

たとえば株価が2,000円。利益配当金が年間60円という株式があるとします。この場合、配当利回りは、60円÷2,000円=0.03=3%になります。

そして、利益配当金の額は変わらず60円で、株価が1,500円まで値下がりした場合はどうなるかというと、60円÷1,500円=0.04
=4%になります。

このように、利益配当金の額が変わらず、株価が下がれば、配当利回りは改善されます。

しかも、連続増配企業の株価が下がったところで投資できれば、投資した後、増配されていくなかで、さらに利回りが向上します。

ですので、配当利回り狙いで投資をする場合は、連続増配企業の株価が下落したタイミングで投資するのが一番なのです。

これは投資雑誌系のインターネットサイトに掲載されていた記事からの引用ですが、2024年5月1日時点で連続増配期間が長い企業が最も長いのは、「花王」です。

なんと32年もの間、増配し続けています。ちなみに配当利回りは2.45%で、増配が始まってから利益配当金の額は20倍以上になりました。

もちろん、過去32年にわたって増配し続けてきたから今後もそうだとは限りませんが、とはいえこれだけ長期にわたって増配を続けてきた以上、これからも増配を続ける可能性は高いと考えられます。

杉原杏璃
投資家