兵庫県議会で「不信任」を突き付けられた、斎藤元彦知事。10日以内に議会解散か失職、辞職の選択を迫られている。
不信任が可決したのは、2024年9月19日。知事は翌日から、テレビ番組でインタビューに応じ始めた。自らの主張を繰り返し伝える目的だ。
任期の4年は全うしたい
斎藤知事は20日に毎日放送(MBS、TBS系)とNHK、21日には読売テレビ(日本テレビ系)の番組に出演した。「自分の思いが伝わり切っていない」との考えから、各局のインタビューに応じる判断をしたようだ。
毎日放送や読売テレビでは、かなり長い時間をとって知事に話を聞いていた。焦点である、知事が今後どういった選択をするかは、両番組ともキャスターが何度か、質問を変えながら聞き出そうとした。だが、「いろんな選択肢がある」「しっかり考えたい」という趣旨を口にするにとどめた。一方で、任期の4年を全うしたいとは明言した。「それなら辞職か」を問われると、そこははぐらかした。
死去した県民局長による告発への対応については、これまでの主張を繰り返した。局長の死は「残念」としたが、謝罪はなかった。また、自身が進めてきた行財政改革の成果をアピールする場面もあった。
いずれの番組でも、質問に対して「立て板に水」の回答で、長考や言葉に詰まる場面はなかった。今後の選択を何度問われても感情をあらわにすることなく、淡々と「じっくり考えて判断したい」との姿勢を崩さなかった。
知事は22日にXを更新。マスコミのインタビューに答えていることに触れ、「できるだけ自分の思いや考えを、自分の言葉で丁寧に伝えていきたい」と説明した。
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「斎藤知事がんばれ」に「驚いた」
議会解散か、辞職・失職か、はたまた解散と辞職の両方を選んで「ダブル選挙」に突入か――。斎藤知事がどう判断するかが注目される。選挙となれば多額の税金が投じられることとなり、議会解散には「大義がない」と指摘する声もある。
その中で、10年前に釈明会見で号泣したことが話題になった元兵庫県議・野々村竜太郎氏を名乗るXアカウントが、政治的な投稿を増やし始めている。
斎藤知事の不信任が議会で可決した19日には、同知事をX上で応援するハッシュタグがあることに「驚いた」と投稿。知事にはパワハラととらえられてもやむを得ない言動があった事実は否定できない、また県民局長が亡くなっている事実もある点を指摘した。
その1週間前にも、知事について「僕が議員なら絶対に頑張れと言ったり激励しない」と発言していた。それまでは、自身の「ネットビジネス」の宣伝投稿がほとんどだったが、直近では国政についても物申し、「新党を立ち上げてほしい」との返信には礼を述べていた。