仕事やプライベートで「なぜかうまくいく人」は、どんな言葉を使っているのか? 実は賢い人ほど、相手から期待通りのリアクションを引きだす「ズルくてうまい言いまわし」を日頃から駆使している。
どんな言葉を使えば物事がスムーズに進むのか? 様々なシチュエーションごとに「ダメな言い方」「うまい言い方」を解説した、ひろゆき氏の新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』から、テクニックの一部を紹介しよう。
◆キレる妻をなだめる言葉選び
既婚者なら誰だって「奥さんから理不尽に怒られた」なんて経験がある。特に共働きの子育て世帯だと、お互いに忙しくイライラを溜めがちになる。「女性に対しては共感を示すべし」という論調もあるが、本当に有効な怒りの鎮め方とは何だろうか。
◆怒りが収まらない人には、ヘタな共感の言葉は逆効果
自分では解決しようがないことで怒る人っていますよね。
例えば、「子供が言うことをきかない」「職場でイヤなことがあった」など、イラついたパートナーが自分に怒りの矛先を向けてきたとき。
自分のコントロールが利かないことで文句を言われているわけで、理不尽な話ではあるのですが、関係性によってはそれがまかり通ったりしますよね。
すると、「なんとかなだめる方法はないだろうか」と悩んだあげく、「いったん落ち着いて」などと言葉をかけてクールダウンさせようとする人がいたりします。
しかし、このリアクションが相手を余計に怒らせたりします。イライラが収まらない人は、「何か怒りの原因を解決したい」というわけでなく、単に腹の虫がおさまらない状態になっているからです。
興奮状態の人を落ち着かせようと言葉をかけても、揚げ足取りの材料にされるだけ。「そうだよね」「わかるよ」などとテンプレの共感を示す言葉で逃げようとしても、「適当に言ってるでしょ!?」と、攻撃材料にされかねません。
◆では、どうすればいい?
では、どうすればいいか。こういうときは逃げの一手です。共感よりもその場から離脱できる言葉を探しましょう。
なぜなら、長時間怒り続けるのはエネルギーが要るので、多くの人は疲れてトーンダウンします。その時間を稼ぐために、相手が「仕方がない」と思うような口実を選ぶのがベスト。
「お茶をいれてくるから、飲みながらゆっくり話そう」
「ちょっとトイレ行ってくるから、その後でじっくり聞くよ」
「窓が空いているから、近所に声が聞こえないように閉めてくる」
などと、とにかく逃げましょう。夫婦ごとに通用する言い訳は異なると思いますが、相手にとって「今それをしないと後々困る」と思うような内容だと、比較的受け入れやすいものです。
◆最もダメなのは…
一方、最もダメなのは怒っている相手に対して自分も腹を立ててしまうことです。
そもそも、自分の怒りすら制御できないのなら、他人の怒りを鎮めようなんてムリ。そういう人は腹を立てない練習をしてみてください。例えば、寝不足や空腹のときは自然とイライラします。そういうときに感情を抑えるように心がけるといいです。
ある意味、怒っている人を落ち着かせる方法と同じなのですが、人に促すより自分を変えるほうが圧倒的にラクですよ。
◆キレる妻をなだめるには…
× そうだね、わかるよ
◎ トイレに行ってくるから、その後にゆっくり話そう
構成/杉原光徳(ミドルマン)
―[賢い人が自然とやっているズルい言いまわし]―
【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』