子どもが多い家庭では、1枚ずつのマイナ保険証の管理が大変

――フリーコメント欄には、賛否両論さまざまな意見が出ていますが、川上さんはどのコメントが印象に残りましたか。

川上敬太郎さん 「顔認証もあるけど、認証されない時や、子どもの分まで暗証番号を覚えていないといけないのが大変」という声です。お子さんが小さいうちは、子どもの分も含めて親がマイナンバーカードを管理することになります。

お子さんが複数いらっしゃる家庭もあります。仮に3人お子さんがいらっしゃれば、自分の分も含めて4人分のマイナンバーカードを管理することになります。

風邪をひくと、家族の中で感染することがよくありますから、子ども全員を医者に連れていくことはありえます。その際、もし顔認証が上手くできないときには暗証番号を控えておくか、スマホに健康保険証の情報が記載されたPDFファイルを保存する事前措置を行っておく必要があります。

スマホに慣れていないお年寄りなど、戸惑われる方がいそうです。人によってマイナ保険証の利用に伴う手間や大変さが変わってくることに、配慮することが大切だと改めて感じます。

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デジタル庁のウェブサイトを見て、情報収集をしては

――運転免許証とマイナンバーカードを一体化させる「マイナ免許証」の運用も来年(2025年)3月に始まる見通しです。マイナンバーカード1本化は避けられない動きですが、川上さんは、ズバリ、どう進めるべきだと考えていますか。

川上敬太郎さん マイナンバーカードの活用範囲として広げてほしいことを聞くと、「運転免許証として利用」と回答した人は16.7%だけでした。一方で最も多かったのは「広げてほしいものはない」で34.5%。マイナンバーカードの活用自体に消極的な人が多い様子がうかがえます。

すでに国として推進している施策ですし、さまざまな情報が1つのカードに紐づけば便利であることは間違いありません。しかし、不安を感じている人が多い状況を踏まえると、国民の理解を得る取り組みにもっと注力する必要があるのではないでしょうか。

――今回の調査で、特に強調しておきたいことがありますか。

川上敬太郎さん もしマイナンバーカードを紛失した場合は、一時利用停止を24時間365日フリーダイヤル「0120-95-0178」で受け付けている旨がデジタル庁ウェブサイトのQ&Aに記されています。しかし、これらの情報を把握していない方もたくさんいらっしゃると思います。

マイナ保険証に反対の声が圧倒的に多いものの、「どちらともいえない」という回答も4割を超えました。実情がよくわからないもどかしさがあると思いますが、日々の生活に関わるだけに、一度デジタル庁のウェブサイトなどをのぞいて情報収集をしていただければと思います。

デジタル庁:マイナンバーカードの健康保険証利用

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)