3. 児童指導員の勤務先
児童指導員の勤務先には次のようなものが挙げられます。
障害児通所施設(療育施設)
発達障害、知的障害、難聴、肢体不自由、重症心身障害などの障がいを持つ子どもが、それぞれに応じた療育を受けるために通所する施設です。対象年齢が小学校就学前の場合は児童発達支援、小学校〜高校就学中の場合は放課後等デイサービスに区分されますが、その両方を提供する多機能型の施設もあります。これらの施設では本人だけではなく、家族や地域に対しても支援をおこなうことで、子どもの育ちの環境を整えることを目指しています。
〈児童発達支援〉
小学校就学前の障がいを持つ子どもに対して、日常生活における基本的な動作の指導や、知識・技能の習得、集団生活への適応訓練などをおこないます。児童発達支援には親子で通うタイプと単独で通うタイプ(母子分離型)があり、1回あたりの利用時間*や通所頻度もさまざまです。
*集団療育の場合は1回2時間〜4時間程度、個別療育の場合は1回1時間程度
〈放課後等デイサービス〉
小学校〜高校に就学中の障がいを持つ子ども*に対して、放課後や夏休みなどの長期休暇を利用して、生活能力向上のための訓練や創作活動、作業活動、地域交流などをおこないます。家や学校以外の居場所となり、社会とのつながりを持てるよう支援します。
*引き続き療育が必要と認められる場合は満20歳まで
療育は児発管の作成する個別支援計画に基づいておこなわれますが、療育の方針は施設によってさまざまです。中には食事や音楽、運動など特色ある手法を取り入れている施設もありますので、「自分の得意分野や専門分野を活かせそうか」という視点で求人を探してみてもいいでしょう。
tips|児童発達支援“センター”と“事業所”の違いは?
児童発達支援には児童発達支援“センター”と児童発達支援“事業所”があります。地域の障害児支援の中核を担う“センター”は、保育所への訪問支援やほかの専門機関(医療機関、保健所、児童相談所)との連携も積極的におこなっています(人口10万人に対して1ヶ所以上)。それに対して身近な療育の場である“事業所”は、利用者の通いやすさを重視して、地域内に数多くの施設が設置されています(中学校区に1ヶ所以上)。
障害児入所施設
家庭での養育が困難な、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)などの障がいを持つ子どもが入所する施設です。食事、入浴、排泄などの介助に加え、日常生活における基本的な動作や知識、技能の習得などを支援します。
児童養護施設
虐待や死別などの理由で保護者と暮らすことのできない1歳〜18歳までの子どもを保護、養育する施設です。日常生活を共に送るなかで、基本的な生活習慣や学習習慣を身につけられるよう保護者の代わりとなって指導します。さらに、家庭に戻るための環境整備や、進学・就職に向けた支援もおこないます。
障害児入所施設や児童養護施設の中には、ショートステイ(短期入所)を受け入れている施設もあります。
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4. 児童指導員の仕事内容
児童指導員の仕事内容は勤務先によって異なりますが、子どもたちの自立と社会参加を見据えて必要な支援をおこなうという点では同じです。
障害児通所施設(療育施設)の場合
障害児通所施設の場合は、児発管が作成した個別支援計画に基づいて療育を実施し、支援記録に残します。また、保護者や関係機関と連携を取りながら、直接支援をおこなう立場から個別支援計画の作成を手伝ったりします。
個別支援計画に基づく療育の実施個別支援計画の作成補助学習の補助(就学中の場合)関係機関*との連携支援記録の作成保護者対応送迎 ──など
*保育所、幼稚園、学校、児童相談所、医療機関など
障害児入所施設の場合
障害児入所施設の場合は、身の回りの世話が中心となりますが、通所施設と同じく療育を実施し、将来的な自立や社会参加を目指します。
身の回りの世話(重症心身障害の場合は、身体介護を含む)個別支援計画に基づく療育の実施個別支援計画の作成補助学習の補助(就学中の場合)関係機関*との連携支援記録の作成保護者対応 ──など
*保育所、幼稚園、学校、児童相談所、医療機関など
児童養護施設の場合
児童養護施設の場合は、保護者の代わりとなって身の回りの世話や生活指導・学習指導をしつつ、将来的な自立に向けて必要な支援をおこないます。虐待や死別などつらい経験をしている子どもが多いため、必要に応じた心理的ケアも必要です。
身の回りの世話生活指導・学習指導進学支援・就労支援必要に応じた心理的ケア自立支援計画の立案関係機関*との連携早期退所に向けた調整(保護者との面談等) ──など
*保育所、幼稚園、学校、児童相談所、医療機関など