ぜひ、エリアメール・緊急速報メールを登録しよう
――それを聞いて安心しました。【図表4】の災害への備えですが、「ハザードマップの確認」が90%、「避難所の認知」が84%。シニアは災害弱者ですから、しっかり準備しているという印象を受けましたが、それ以外の項目では「この備えをもっとやるべきだ」という箇所がありますか。
水野一成さん 災害への備えに関しては、どれか1つやっていればいいというわけではないと思います。それぞれの居住環境においてできていない対策が必要なところを実施していただきたいので、防災訓練への参加(38%)はぜひ行っていただきたいと思います。
また、数日分の水・食糧、非常用持ち出し袋や医薬品、家具の固定など定期的な再確認も必要かと思います。私も今回の能登半島地震を受け、家具の固定を再点検しました。
――【図表6】で、「複数の分野から災害情報を入手している高齢者は災害への備えが多い」とあります。できるだけ多くの分野から災害情報を入手したほうがいいということですが、高齢者はICT分野に疎い人が多いので、特にここから入手するとよい、というおススメ分野がありますか。
水野一成さん 複数の分野から情報を得ていることは、防災への意識と関係している部分があると思われます。確かに高齢者は、若中年層と比較しICTに関する項目が低いです。各人のICTスキルに合わせて、ぜひ活用を検討して欲しいです。
たとえば、エリアメール・緊急速報メールは自動で届きます。届いた後にどのような行動をするか、確認してほしいです。アプリがインストールできる人は、ぜひ防災系アプリをインストールすることを検討して欲しいです。アプリの多くは、プッシュ通知で情報が届くことがあります。
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気象庁「キキクル」で、周辺に迫る危機状況の確認を!
――高齢者はテレビで情報を得る人が多いですが。
水野一成さん また、普段見ているテレビを同時放送で確認できるものもあります。住まいの自治体がアプリやメール・SNSを提供している所は、平時に登録をお勧めします。
さらに発災時には、気象庁の「キキクル」(大雨警報・洪水警報の危険度分布:https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/ame_push.html)で直近の状況を確認するなどできれば、より効果的だと思います。いずれも発災時に急に行うことは難しいです。平時の確認と登録をお願いしたいです。
――今回の調査と災害への備えのことで、特に強調しておきたいことがありますか。
水野一成さん 【図表4】の10項目を参考に、必要に応じ平時からの防災対策を行っていただきたいです。また、過去に行ったものでも、改めて再確認をお願いしたいです。
(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)