便秘になりがちな50代にとって、「腸活」は大切な習慣のひとつ。
腸活に欠かせない「食物繊維」のなかでも、今注目されている「発酵性食物繊維」について専門家に伺いました。
お話を伺った方
大妻女子大学教授
青江誠一郎先生
日本食物繊維学会理事長。大麦の食物繊維とメタボリックシンドローム予防に関する研究、穀類含有食物繊維の肥満関連指標に対する改善効果に関する研究などで受賞歴がある。
無理なく発酵性食物繊維を毎日とることが腸活成功への近道。
どんな食材に発酵性食物繊維が豊富かをチェックしてみましょう。
発酵性食物繊維は穀物に多く含まれる。
まずは主食を変えてみて
「発酵性食物繊維は穀物に多く含まれています。そこで、まずは白米を大麦(押し麦、もち麦など)や雑穀米に、食パンを全粒粉入りにするなど、主食を変えてみましょう。主食を見直すことで、摂取量を増やすことができます」と青江先生。
さらに副菜も工夫しながら上手に取り入れたいもの。
「副菜は和食中心がおすすめです。ごぼうや玉ねぎなどの根菜、大豆や小豆などの豆類、昆布やわかめ、ひじきなどの海藻は発酵性食物繊維が豊富に含まれています。忙しいお昼は、コンビニの雑穀米おにぎりと海藻サラダなどでも十分。自分が食べやすいものを無理なく取り入れて、毎日続けることが大切です」
同じ食材ばかりではなく、いろいろなものをとるのがポイントです。
「1週間続けると腸の動きがよくなり、ガスが出やすくなったら変化が現れはじめた合図。2週間続けると、排便がラクになり、便の状態が変わってきて嫌なにおいがしなくなったら腸内環境がよくなっている証拠です」
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取り入れ方のポイント
ポイント1. 主食を変える
毎食の主食を、発酵性食物繊維を多く含むものに変えてみましょう。
白飯は大麦、雑穀入りに、パンは小麦ブランや全粒粉入りのものになど、白いものから色のついたものに、と考えてみて。
主食を変えるだけで、1食で相当量、効率よくとることができます。
ポイント2. 朝とるのが効率的
朝食で摂取した発酵性食物繊維は、お昼ごろにかけて腸内で発酵がはじまり、1日中続きます。そのため腸内細菌が徐々に増え、腸内環境が整いやすくなります。
また、朝に摂取することで昼食時の血糖値の急上昇を防いでくれるのも、嬉しい効果です。
ポイント3. さまざまな食材をとる
発酵性食物繊維は食材によって腸内の発酵する場所や発酵時間が異なります。
腸の入口では根菜類や豆類、真ん中では海藻や押し麦、もち麦、奥のほうではじゃがいもや全粒小麦などが発酵。
さまざまな食材をとると腸内全体でいろんな細菌の種類が増え、腸内環境が改善します。