Nam Y. Huh / AP Photo
米メジャーリーグベースボール(MLB)シカゴ・カブスの今永昇太選手(31)が、所属1年目にして絶好調だ。チームが4年連続でプレーオフを逃し奮わないなか、監督に「ベストピッチャーでありベストプレイヤー」を言わしめるほどの存在感を示す。成長の鍵は貪欲な学習意欲と、ユーモアを愛する明るい精神にある。
◆ベストピッチャーとしてチームを牽引
カブスは2024年シーズンをもって、4年連続でプレーオフ進出を逃した。シカゴ・トリビューン紙は、2020年にアンソニー・リゾ、クリス・ブライアント、ハビアー・バエズが在籍していた時以来、プレーオフ進出を果たせていないと指摘する。今季はクレイグ・カウンセル監督の下で期待されたが、成績は思うように伸びなかった。
そんななか、今永選手の活躍は明るい材料だ。2024年シーズンはこれまでに29試合に先発登板し15勝3敗、防御率2.91を記録している。まさにチームの希望の星のごとく輝いている。MLB公式サイトによると、カブスのクカウンセル監督は、「彼は我々のベストピッチャーであり、ベストプレイヤーだ。疑いの余地はない。彼は常に結果を出し、我々に大きな力を与えてくれた」と語っている。
◆監督から高い評価「望む通りのプレーをする」
カウンセル監督からの評価は高い。監督は今永選手の適応力と集中力についても言及している。「彼に対して何を投げかけても、彼は動じない。それは素晴らしい能力だ。2時間半の遅延になっても、彼はまったく動じなかった。ルーチンが中断されても、異なる休みの日があっても、寒い天気でも、彼はまったく動じない。それは真の競争者の証だ」と語る。
今永の学習意欲と成長についても触れている。カウンセル監督はシカゴ・トリビューン紙に、「彼は好奇心旺盛だ。それが成長と変化、そして少しでも良くなろうとすることにつながっている。これらは、彼の技術を向上させようとする学習者の特性だ」との見解を語った。
今永選手のプレーは、監督を心から満足させているようだ。同紙に監督は、「彼を見ていると楽しいんだ」と述べている。「本当に勘のいい選手たちは、私たちが望む通りのプレーをする。 彼らはほかの誰よりも先に物事を見抜いている。 私たちはそれを賞賛する。我々は気づいたことを伝えるが、彼らの方が先に気づいているんだ。それは才能だ」
◆ユーモア精神を忘れない
期待の重圧に応えながら、ユーモア精神も忘れない。今永選手は、MLB1年目のシーズン中、試合以外でも話題を振りまいた。インタビューでのユニークな受け答えにはじまり、「マイク・イマナガ2世」への“改名”や熱心なカブスファンへのコーヒープレゼントなど、たびたびメディアで取り上げられた。最近では、通訳のエドウィン・スタンベリー氏とともに、映画『トイ・ストーリー』のキャラクター、バネ仕掛けの犬の「スリンキー」のコスチュームを着た様子が話題となった。
Shōta Imanaga and his translator, Edwin Stanbery dressed up as a Slinky from Toy Story
(: Shōta IG) pic.twitter.com/KHX2x4BgqF
— Cubs Zone (@CubsZone) September 23, 2024
今永選手がスリンキーの頭と胴体前半分を担い、スタンベリー氏が後部を担当する形で、二人が「金属製のバネ」で繋がって登場。球場に笑いを振りまいた。コスチューム姿のまま、腰や頭を揺らすパフォーマンスを披露した。
今永選手は試合外でもその個性を発揮し、ファンやチームメイトに愛される存在となっている。9月30日に今季最後の先発を予定しており、対戦相手はシンシナティ・レッズだ。