大人になった今でも似合うオーソドックスな佇まい。
〈ジョンスメドレー〉のポロシャツは、大人が着るものだと思っていた20歳の頃。まずは、両親へのプレゼントとして選びました。母には薄いラベンダーカラー、父には黄色のボックスシルエット。とても喜んでくれたのを覚えています。その2 ~ 3 年後、やっと自分用に英国らしいロイヤルブルーを購入。ようやく年相応になってきた30代から買い集めるようになりましたが、初めて買った一着は特別な存在で、もう長年着ています。襟先が長くきれいなVネックのデザイン、そして軽くしなやかな着心地のシーアイランドコットンは品のいい光沢感があり、少しよそ行き顔。三つボタンのスーツの下にも着られるし、デニムにも合う。おなかがぽってりしていても、上までボタンを留めて着ればカッコイイ。だんだんと目が詰まって毛羽立つ様にも味があるんですよね。
光石 研 Ken Mitsuishi 俳優
数々の映画やドラマ、CMに出演。福岡県北九州市の青春時代から現在までを綴ったエッセイ『リバーサイドボーイズ』(三栄)発売中。
illustration : Megumi Sasaki text : Shoko Matsumoto
&Premium No. 131 LONG-TIME STAPLES / 使い続けたくなる、愛しいもの。
ファッションやライフスタイルにまつわるもの選びにおいて、時間をかけて長く付き合っていく姿勢が、これまで以上に必要とされているように思います。でも、ただ漫然と「長く使い続ける」ことだけが重要ではなく、それを使ったり、身に着けたときに、出合った頃と変わらぬ「愛おしさが続いている」ことも、忘れてはならない大切な要素なのではと考えます。初めて手にしたときの高揚感、作り手のこだわりに惚れ惚れとしたこと、使い続ける日々の中で紡がれた大切な思い出……。そういったさまざまな「記憶」が、人とものを、長きにわたって、幸せなかたちで繫ぎ合わせていくのです。〈ミナ ペルホネン〉のデザイナー・皆川明さんをはじめ、たくさんの方々に「使い続けたくなる、愛しいもの」にまつわるエピソードについて聞いてみました。
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