頭金を支払うメリットはある?
頭金を支払うことは簡単なことではありません。
しかし、頑張ってでも頭金を支払えばそれなりのメリットがあるのです。
ここでは、頭金のメリットについてみていきましょう。
金利を減らせる
頭金の支払いによって利息を減らせます。
利息は、借り入れ金額に適用されたものとなるので、頭金が多ければ多いほど借入額を減らせるため、それに支払う利息も少なくなるということです。
特に長期間固定金利でない場合、定期的に金利が変動します。
金利の変動での影響は大きく、借りた当初は低金利であっても将来的に金利上昇する可能性も考えられます。
将来的な金利上昇があった場合、支払いが厳しくなって購入したマンションを手放すケースもあるでしょう。
これらのことを踏まえて、新築マンション購入時には申し込みから引き渡しまでの期間を頭金のために貯金しておくと安心です。
特に新築マンションは、申し込みから引き渡しまでの期間が1年~2年程度あります。
少しでも頭金にすることで、変動の可能性がある金利に対応できるでしょう。
将来的な負担軽減ができる
頭金を払うことで、将来的な負担軽減ができます。
理由は、頭金が多ければ多いほど、支払う利息が少なくなるからです。
ここでは、頭金の金額による返済額と利息についてみていきましょう。
(例)マンション購入額5,000万円、全期間固定金利1.5%、35年返済、ボーナス返済なし
頭金借入額(ローン)毎月の返済額利息(35年)総支払額0円5000万円153,092円1430万円6430万円300万円4700万円143,906円1344万円6344万円500万円4500万円137,782円1287万円6287万円800万円4200万円128,597円1201万円6201万円1000万円4000万円122,473円1144万円6144万円
5000万円のマンションを購入した場合、借り入れた金額によって総支払額や利息が違うことがわかります。
頭金が少しでもあるだけで、利息にも総支払額にも大きな差が生じます。
頭金0円~300万円の差が86万円あり、これを3等分にすれば28.6万円となり、100万円の頭金があるだけでこの分の利息が減る計算です。
これが将来の負担軽減にもつながるということです。
返済期間が短くなる
住宅金融支援機構のフラット35では、35年間固定金利なので将来的な返済計画が立てやすくなっています。
近年、フラット35の利用者の平均年齢が上昇傾向にあり、2004年度からの調査から年々50歳以上の割合が増加しています。
2020年度は40.3歳、221年度は41.5歳で、50歳以上は23.1%です。
この結果からわかるのは、ローンを借りる年齢が高い結果、その後の就労期間が短く、定年後にもローンを持ち越す可能性が高いということです。
頭金がない状態で35年間のローンを組んだ場合、年金生活を送りながら返済をしていく可能性が考えられます。
前述でも解説したように、5000万円のマンションを頭金なしで購入した場合、毎月の返済額が153,092円、返済年数は35年、総支払額は利息となる1430万円を含めた6430万円となります。
もし、10%となる頭金(500万円)を用意した場合は、毎月の返済額を変えずに返済年数を53ヶ月短縮できる計算です。
この結果から、頭金で年金生活での返済を避けることもできます。
購入できる物件が増える
借り入れの予定額を変えることがなくても、頭金の有無だけで購入できるマンションの選択肢を広げられます。
マンション購入の条件に頭金の支払いを含めている物件もあれば、予算オーバーで諦めていた物件なども、頭金によって購入額の幅が変わってくるからです。
同じマンションであっても、角部屋や高層階なども選択肢に加わる可能性があります。
返済計画に余裕がある場合は、頭金を増やして選択肢も変わるでしょう。
審査に通りやすくなる可能性がある
住宅ローンの申し込みには、金融機関などが返済能力などを含めた項目を検討して融資可能かどうかを判断します。
さらに、希望している金額を融資できるかどうかの審査も行い、全てにおいて問題がなければ融資を受けられます。
しかし、審査項目、基準においては金融機関によって異なるため、A銀行では融資を断られたがB銀行では受けられる場合もあります。
さらに、頭金の有無によって返済能力があると判断されて審査に通りやすくなる可能性もあります。
低金利になる可能性も
フラット35では、融資率9割以下と9割以上で金利の範囲を変えています。
つまり、頭金の有無によって金利も下がってくるということです。
フラット35の借入期間が21年以上35年以下の場合をみてみましょう。
融資率9割以上の金利の範囲は、年2.010%~3.510%に対して、9割以下なら年1.870%~念3.370%です。
9割以上の最も多い金利は年2.010%、9割以下の最も多い金利は年1.870%なので、頭金があるだけで金利に0.14%の差が出る計算です。
頭金は金利も下げる可能性があるので、この点もメリットとなるでしょう。
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マンション購入の初期費用は安くできる?
前述したように、マンション購入時に頭金の有無で将来的の費用を抑えられることがわかりました。
しかし、高額な頭金を貯めることは容易ではありませんが、できるだけ用意したいと誰もが考えるでしょう。
そこで、知りたいのがマンション購入の初期費用そのものを安くできるかどうかという点です。
ここでは、マンション購入の初期費用を安くできるコツをご紹介していきましょう。
初期費用は安くできないものが多い
以下の5つのものは、マンション購入に必要な費用です。
これらは必ず必要になるので覚えておきましょう。
住宅ローンに関係する費用
マンション購入時には、住宅ローンの借り入れが一般的です。
その際には印紙税、事務手数料、保証料などがかかります。
印紙税は住宅ローン契約書に印紙を貼って納税します。
事務手数料は、住宅ローン契約時に必要な手数料を金融機関に払いますが、借入金額、定額型、定率型などで費用が変わります。
保証料は、貸し倒れなどのリスクがないように借入の条件に含まれていることが多いです。
不動産登記費用
不動産購入時には、必ず不動産登記が必要になります。
不動産登記は所有者、場所、広さなどを登録するもので、住宅ローンを組む場合には欠かせません。
司法書士に依頼することが多く、この場合には依頼費用が必要です。
火災保険料
住宅ローンを組む場合、必ず火災保険への加入が求められます。
火災保険を長期契約し、一括で支払うことで保険料が安くなります。
仲介手数料
マンション購入時に利用した不動産会社に仲介手数料を支払います。
物件価格×3%+6万円を上限にして手数料が発生します。
この仲介手数料は、これ以上にならないように法律で決められています。
税金関係
マンション購入には、売買契約書などが必要です。
契約書には印紙税がかかり、税額は住宅ローン契約時と同様となりますが、物件購入価格によって税金額が変わります。
さらに不動産取得税として、土地と建物に税金がかかります。
固定資産税は、評価額×4%で計算できます。
安くしたいなら不動産登記費用をチェック
初期費用となるものは簡単に安くできないため、節約するのはとても難しいでしょう。
そんな中でも、費用を抑えられる可能性があるのは不動産登記です。
不動産登記は、司法書士に依頼することが多く、その際に手数料が発生しますが、これは司法書士への報酬となります。
そのため、自分自身で登記を完了させれば、登録免許税の支払いのみで済みます。
近年は、自分で登記を行う人も増えてきましたが、必要な提出書類が多いだけでなく、法務局に何度も出向く必要があります。
勉強しなければならない点もあり、不慣れな人が登記を完了させるまでに1ヶ月程度必要なケースがほとんどです。
費用を安く抑えられますが、その分仕事を休まなければならないため、早めの準備をするのが良いでしょう。
仲介手数料も安くできる注目ポイント
マンション購入時には、不動産会社を通じて買うことがほとんどですが、この際に買主と売主の間に入ってくれる不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。
これは、不動産会社の報酬となりますが、取引が両手仲介の際には交渉で安くできる可能性もあります。
一般的には、仲介手数料が不動産会社の主な収入源になるので、値引きをするのは難しいでしょう。
しかし、両手仲介であれば不動産会社の手数料が両方から入るという意味なので、値引き交渉できる可能性も高まります。
税金が抑えられる物件に注目する
税金は、マンション購入時にどうしてもかかってしまいます。
しかし、初期費用を安くできるポイントを知っておくことで、費用を抑えて購入できる可能性が高まります。
そこで注目したいのが、軽減措置を受けられる物件を探すことです。
新築物件なら軽減措置の条件として床面積50㎡以上、240㎡以下であること、耐震基準に適合している中古物件なら、1982年1月1日以降に建築された建物であることなど、マンションの状態から税金が抑えられるかを確認してみましょう。