死刑が確定していた袴田巌さん(88)の再審(やり直し裁判)で、静岡地裁は2024年9月26日に無罪判決を言い渡した。

その翌日となる27日、法曹界を題材とした連続テレビ小説「虎に翼」が最終回を迎えたこともあり、SNSでは「すごいタイミング」「運命を感じた」といった声が広がっている。

「昨日の判決への理解が深まった」

袴田さんは1966年6月、静岡県清水市(現・静岡市)で、みそ製造会社の専務一家4人を刃物で殺害したとして死刑が確定していた。現場近くのみそタンクで見つかった血痕付きの5点の衣類や、自白調書など3つの証拠をめぐって、9月26日の再審では、静岡地裁が当時の捜査機関による「ねつ造」と認定し、無罪を言い渡した。

判決結果がSNSで大きな注目を集める中、話題に上がったのが27日に最終回を迎えた「虎に翼」だった。日本初の女性弁護士で裁判官となった三淵嘉子さんの人生をモデルに、俳優・伊藤沙莉さんが主人公・佐田寅子を演じた。

Xでは、連日の2つの出来事について、「袴田事件が再審無罪で、今日虎に翼が最終回。すごいタイミングだなぁ」「袴田事件の再審判決の翌日が最終回と言うのに運命を感じた。このドラマのおかげで、昨日の判決への理解が深まったと思う」「”あなたにとって『法』とは?”を問いかけてきた『虎に翼』の最終回を前に、58年間闘い続けてきた袴田さんに無罪判決。名作はしばしば社会の流れと連動する」といった声が上がっていた。