男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:「5回も会ってるのに進展なし」毎回素敵なお店でご馳走もしてくれるけど、彼は何考えてるの?
どうして、淳から返信が来ないのだろう。
3つ年上で29歳の淳とは、友人の紹介で出会った。私のタイプだったから、頑張った。
でも最近続いていたはずのLINEが、急に途絶えてしまった。
正確には、途絶えてはいないけれど、明らかに返信のスピードが遅い。出会ったばかりの頃は即レスだったのに、今は既読になるのも遅いし、返信も翌日だったりする。
果たして、私はどこから間違えてしまったのだろうか…。
Q1:男から食事に誘う。この意味は?
淳とは、友人の里美が開催してくれた食事会で出会った。
コンサル会社に勤めているという淳は、身長が高くて顔もカッコいい。知的な感じとスマートな振る舞いに、私は最初から強く惹かれていた。
「菜穂ちゃん、お仕事は何をしているの?」
「私は会計事務所の事務をしています」
「そうなんだ。場所はどの辺り?」
「最近事務所が移転して、今は虎ノ門です」
そんな感じで、この食事会は特に盛り上がることもなく、1軒目で解散となった。その後のLINEも形式的なお礼のやりとりのみで終了したので、私は正直手応えを感じていなかった。
しかしこの1週間後、急に淳から連絡が来て、私たちは恵比寿にある『酒家の元』に食事へ行くことになった。
急に誘ってくれたのは、不思議だったけれど嬉しい。だから淳との初デートは、気合を入れて臨んだ。
私は男性ウケ抜群の、ふわっとしたシフォンのトップスに黒のペンシルスカート。そして髪は巻き過ぎず、あくまでも素肌感命のナチュラルメークに見えるように。でも実は、肌やアイラインは色々と仕込んであるという完璧な状態だ。
そして淳が予約してくれていたお店の席に着いた瞬間に、私はこれのセリフを言うのも忘れなかった。
「淳さんから連絡をもらえて、嬉しかったです♡」
「嬉しい」や「ありがとう」は積極的に言うこと。これはもう恋愛の鉄板ルールだ。
「いやいや、こちらこそ」
爽やかな淳は、別にそこまで“スーパーイメメン”というわけではない。でも、雰囲気がカッコいいというかオーラがある。
今日のお店選びだって、中華と和食の融合という新しい中にもオシャレさが漂うお店で、センスが滲み出ている。
「淳さんのお仕事って、具体的にどんなことをされているんですか?」
「コンサルなんだけど…。IT系の経営コンサル、って言ったらわかるかな?」
「IT系の経営コンサル…」
何となくはわかるけど、具体的にはよくわからない。なので私は曖昧な笑顔で返す。
「まぁ仕事の話はいいや。食事中にしても面白くないだろうし。それより菜穂ちゃんは?普段は何をしているの?」
「私は仕事が定時に上がれるので、終わったらピラティスに行ったりしています」
「ピラティス!最近流行ってる?周りの女の子から、そのセリフすごくよく聞くんだけど」
「流行ってますよ〜。可愛い子たち、みんな行っています」
「そうなんだ。何をするの?ってか、何に良いの?」
そんな話から、淳も普段ジムへ行っていることや平日飲まないことなど、色々と聞き出すことができた。
淳もだいぶリラックスしてくれたようで、ざっくばらんに話せて嬉しくなる。
しかもこの日は楽しかったようで、2軒目もあった。
「淳さん、今日は一緒にいられてすごく楽しかったです♡」
帰り際、とびきりの笑顔でお礼を言うことも、もちろんちゃんとした。
Q2:男のLINEの返信スピードが急に変わった理由は?
こうして楽しく初デートを終え、翌日にお礼のLINEを送ってみる。するとそこから、何度かラリーが続く。
― 菜穂:淳さん、昨日はありがとうございました。とっても楽しかったです。
― 淳:こちらこそありがとう!また行こう。
本音を言うと、具体的な日程が欲しいところ。でもここで突つくと、がっついているように見えるかもしれない。
ここで私は少し考えて、さりげなく話題を変えてみた。
菜穂:今日もお仕事ですよね?頑張ってください!
ただこのLINEを送ったのがお昼過ぎだったのに、淳が既読になったのは夕方過ぎ。そして返信が来たのは、その日の20時過ぎだった。
― 淳:ありがとう!ごめんバタバタしてて返信遅くなった。
嬉しくてすぐに返信をしたくなったけれど、向こうは返信スピードが遅い。速攻で既読にして返信すると、“追っている”側になる。
「LINEの返信は少し置け」なんて、誰もが知っていること。
だから私はすぐには返信をせず、既読もつけずに翌朝返すことにした。
するとこの法則が効いたのか、淳からすぐに返信が来た。そしてこの後から、LINEを送るとすぐに返信が来るようになった。
ただ初回から感じていた“暖簾に腕押し感”が拭えなかったので、あくまでもスローペースで返信を続けている。
そして、私たちの二度目のデートが実現することになった。でも今回は、少し様子が違う。
というのもLINEを続けていくうちに、お互いの親友が彼氏、彼女を探していることを知ったから。
― 淳:僕の親友が彼女を探しているんだけど、菜穂ちゃんの周りに誰か良い子いたりしないよね…?
― 菜穂:いますよ!ちょうど私の親友も彼氏を探していて!
私たちは双方の親友たちを引き合わすために、4人で食事をすることになった。
「こっちが、僕の親友の順平です」
「こちら、私の親友の凛です」
こうしてお互いの親友を交えた食事会が始まった。この会もちゃんと盛り上がり、「またみんなで遊ぼう」となった。
そしてこの会の後、淳にも個別でお礼のLINEを送る。
― 菜穂:今日もありがとう!淳くんといると楽しい。次はいつ会えるかな…。またすぐに、かな?
しかしここから、急に淳のLINEのスピードが落ちた。
前はすぐに返信が来ていたのに、この返信が来たのは翌日。しかも明らかにそっけない内容になっている。
― 淳:そうだね!またね!
あんなにも続いていたLINEのラリーがなくなってしまった。
親友たちとの食事会で、何かしでかしてしまったのだろうか。どうしてあの会以降、淳からのLINEの返信は遅くなってしまったのだろう…。
理由がわからないまま、寂しくて悲しくて私はずっとスマホを見つめている。
▶前回:「5回も会ってるのに進展なし」毎回素敵なお店でご馳走もしてくれるけど、彼は何考えてるの?
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
▶NEXT:9月29日 日曜更新予定
男からのLINEの返信スピードが急に落ちた理由は?