8歳の誕生日に娘が所望したのは、予約1年待ちという超人気店のケーキ。娘は1年間、私のお手伝いをしたり、勉強を頑張ったりしてその日を待ち望んでいました。私はそんな娘のために苦労してケーキを入手。しかし当日、夫がケーキを無断でめいっ子にあげてしまったのです。
頑張った娘のために
いよいよやって来た娘の誕生日。私は夫に、「例のケーキ買えたよ!」と帰りがけの電車内からメッセージを入れました。もちろん夫も、娘が1年頑張ってきたことを知っています。
「この1年間のあの子の努力を評価しなくちゃね」と送信すると、「俺の子なら親の手伝いをして勉強も頑張るなんて当然だ。あいつも今後は褒美がなくてもできるようにしなきゃな」と言います。
「まあそれはいずれね」と返信した私。起業したばかりで自分に自信がある夫は子育てにも厳しいのです。義父や義兄は大会社の経営者という家系。娘にも期待しているのかもしれませんが、その言い方には少し難が……。
ともかく私は、いったん家に寄ってケーキを冷蔵庫にしまい、そのほかの料理のための買い出しに繰り出しました。
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あれ、ない!
買い出しから帰宅すると、なぜか冷蔵庫の中のケーキが見当たりません。私はすぐ、義実家に用があるといって入れ違いで出ていった夫に尋ねました。
「あの子の誕生日ケーキがないんだけど知らない?」
「めいっ子に譲ったよ!」
「食べたいって言うからさ」
「パパ最低、大っきらい」
すると、驚きの返信があったのです。すぐに問い詰めると、義実家への手土産にしたというのです。「ケーキなんて他のでも同じだろ。でなきゃ来年まで我慢するんだな」と悪びれてもいません。
「あれはうちの娘のだよ? この1年あのケーキのためにどんなに努力したか……」。私が絶句していると、娘が私のスマホを奪い、黙ってメッセージを打ちました。