子ども同士が同級生だったことで始まる近所のママ友付き合いで、毎年モヤモヤするのが夏休み中の旅行のお土産問題です。互いに基準が一緒だとストレスもないのですが、あるママ友からのお土産はいつも、あげるものに対していただくものがあまりにも不釣り合いで、気持ちがスッキリしません。しかし、ある日それは、ご近所のママ友共通の悩みだったことがわかったのです。

気まずいお土産交換

新型コロナウイルスが流行する前の夏休み、家族で伊豆に旅行に出かけたとき、当時まだ中学生だった娘と、近所のお友だち家族に配るお土産を選びました。

お土産の予算はいつも1,000円程度。家族で楽しめる食べ物や、民芸品のキーホルダーやアクセサリーなど、その土地ならではのものを選ぶようにしています。伊豆のお土産といえば、お茶やみかん、海産物などが有名。このとき選んだのは、老舗和菓子店の伊豆みかんゼリーで、上品なひと口サイズの包みが8つ入って1,000円ほど。いつもお土産のやりとりをする3家族に同じものを買いました。

旅行から帰り、娘はそれぞれのお友だちの家にお土産を届けに行きましたが、Nちゃん家だけは私もついでがあり、一緒に伺いました。Nちゃん親子は出てくると「うちもお土産がある」と小さなビニール袋を差し出しました。奇しくも中身は同じみかんゼリー。ただし、いただいたのは工場見学の売店で買ったという、お豆腐一丁サイズのプラスチック容器に入った大きなみかん味のこんにゃくゼリーが1つでした。

気まずさを感じて私は「奇遇だね~」と笑い飛ばし、少しお土産話をしてから別れましたが、帰り道に娘が小さな声で「これって近くのスーパーで売ってる100円の業務用ゼリーと同じだよね?」とポツリ。たしかに形状はよく似ていて、子どもたちが小さいとき、うちでもよく買いました。私が「でも工場見学で買ったって言ってたよね」とフォローすると、スマホで調べる娘。たしかにそれは工場見学の売店で売られている100円の商品であることがわかりました。

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いただくお土産がいつも不釣り合い

「まさか、みかんゼリーを持っていって、みかんゼリーをもらって帰るとは思わなかったね」と私が言うと、娘は「値段が10分の1になって戻ってきたから、“逆わらしべ長者”だね。あ、長者じゃないか……」と苦笑します。というのも、Nちゃん家からのお土産はいつも、あげるものに対してもらうものが不釣り合いで、セレクトも独特、家族の人数分ないことも珍しくないからです。

例えばお菓子を買うなら、私は相手の家族が皆で楽しめるよう数にも気を付けますが、Nちゃん家からいただくのはキャラメル1箱とか、1袋ずつ味がバラバラのラーメン詰め合わせとか。箱入り菓子をばらしてビニール袋に入れ、お友だち3家族に分けていたこともあります。

家庭によってお土産の考え方は違って当然ですし、厚意でいただくものにケチをつけるべきではない、とは思っています。でも、Nちゃん家は子どもの習い事や教育にはお金に糸目をつけず、ママはいつも「うちは皆が通う近所の教室ではなく、遠くの月謝が高い教室に通わせている」とマウントを取ってくる人なので、こういう場面でお金を出し渋る姿を見ると、どうしても複雑な心境になってしまうのです。