食楽web
●「旅先で旨いものを食べたければ、タクシードライバーに聞くのが一番」と言います。そこで、東京のB級グルメに精通する現役タクシー運転手・荒川治さんに、オススメのお店を教えてもらいました。
私がいま暮らしているのは板橋区の都営三田線・志村坂上。なぜ、ここに住んでいるのかというと、実は明確な理由がありまして、コラムでもご紹介した『中華ソバ 伊吹』がすぐそばにあるからなんです。ラーメン好きの方ならご存知だと思いますが、全国各地からここを目指してお客さんが足を運んでくるほどの超有名店で、コラムに書いたように「死ぬまで食べたい」中華ソバなので、ここに住んでいるわけです。
そんな志村坂上に、2024年9月14日、新しいラーメン屋がオープンしました。その名は『中華そばの店 みのひ』。オープン前から、板橋区に住む“食友”たちの間で、「ここの店主が練馬区石神井の『麺処 井の庄』で修業した人が手掛ける店」という情報が流れ、みんなここのオープン日を楽しみにしていました。
ちなみに『麺処 井の庄』とは、唐辛子と魚粉を混ぜた「辛魚粉」を使った激辛のつけ麺や煮干しがガツンと効いた太麺の中華そばが有名なお店です。つまり、『中華ソバ 伊吹』と並んで、この新店『みのひ』も同じ“煮干し系”というわけです。
オープン直後、さっそくその『みのひ』に行ってきました。そして、私の期待のはるか上をいく美味しさだったので、ぜひ皆様に共有したいと思います。
『伊吹』と『みのひ』はライバル関係になるか?
オープンしたての『みのひ』さんですが、しばらくの間は平日は夜営業のみとのことで、18時過ぎに伺いました。前方の並びは5名ほど。店内はカウンターのみの8席ですが、席と席の感覚が広くてゆとりがあります。
先に食券を購入。待つこと15分ほどで席に案内されました。ちなみにメニューはオープンしたてということもあって、ラーメン1000円のみ。トッピングは味玉120円、生ニンニク20円で合計1140円。
ラーメンにトッピングの生にんにくと味玉をオーダー
都心のラーメン屋さんなら1000円以上はもはや当たり前のようになっていますが、板橋界隈では、この値段はやや強気のお値段です。でも満足度が高ければ、それはそれで、ウリにもなるはず。ほどなくして目の前に丼が供されました。
トッピングを含めて1140円
まずはスープ。事前の情報では、鯖煮干、鯖の厚削り、鯖香油に純豚骨のWスープとのことでしたが、見た目的には魚介強めな印象。ところが一口飲んでみると、ことのほか、豚骨強めのスープだとわかりました。
味変に入れると美味しい生ニンニク
豚骨強めのスープとなると、トッピングに選んだ生ニンニクがよく合うはず。これは正解でした。途中でニンニクをちょっぴり入れると、香りが立ち上がり、旨味がググンと倍増! この味変は最高です。ただ、ニンニクの量は全部入れてしまうと強すぎると思います。半分くらいを目安にするのがいいでしょう。
麺は中太のストレート麺、量は普通で230g
そして、麺は中太のストレート麺、量は普通で230g。ガッツリした量で、私にはちょうどいいですが、少食の人にはちょっと多いかもしれないと思うかもしれませんが、店内にはけっこう女性のお客さんが多く、しかもこの量をペロリと平らげていました。
大きくて分厚いチャーシューがデフォルトで入っています。
丼には肩ロースのチャーシューが1枚。これもしっかり厚みがあるタイプ。でも口の中でほどける感じで、非常に美味しいです。そしてトッピングで頼んだ味玉も緩すぎず固すぎず、いい塩梅。かなり優秀なトッピングだと思います。
まとめ
食べ終わった後の満足感が高く、旨みの余韻が続くラーメン[食楽web]
総じて、食べ終わった後の満足感が高く、旨みの余韻が続くラーメンでした。ちなみに、今回はラーメンしか選べませんでしたが、私はこのタイプのつけ麺が大好きなので、つけ麺の開始が待ち遠しいかぎりです。
というわけで、『伊吹』の近くにこの『みのひ』が誕生しましたが、思うに、マニアックな煮干し好きは『伊吹』へ、食べやすい煮干し好きは『みのひ』へと、自然なかたちで棲み分けができている気もします。
●SHOP INFO
店名:中華そばの店 みのひ
住:東京都板橋区志村2丁目1−4
TEL:03-6903-5639
営:平日17:00〜21:00
土・祝10:00〜15:00
※材料切れ早仕舞いあり。
休:日
(文◎土原亜子)
●プロフィール
荒川 治
東京都内在住のタクシー運転手。B級グルメ好きが高じて、現職に就き、お客さんを乗車させつつ、美味い店探しで車を回している。中年になってメタボ率300%だが、「死神に肩をたたかれても、美味いものを喰らって笑顔で死んでやる」が信条。