住まいに接する道路や隣地との境界には、プライバシーを守るために垣根を作ることが多いですよね。板塀やコンクリート、レンガ、フェンスなど、資材を使って囲うのがポピュラーですが、植物を使った生け垣にするのも一案です。では、生け垣のメリットとはなんでしょうか? 生け垣に向く植物、向かない植物はあるのでしょうか? ここでは「生け垣」にスポットを当て、生け垣に向く植物の特徴や種類、管理の仕方などについて詳しくご紹介します。
生け垣とは
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生け垣とは、植物を使って作られた垣根のことです。フェンスや塀などと同様に、主に敷地の境界を示したり区切る目的で設けられますが、目隠しや防犯、安全性の向上などにも役立ちます。さらに、植物を使った生け垣には空気の浄化作用や、災害時の延焼防止、景観の向上などの効果もあります。
ただし、樹種によって生け垣に適するものと、適さないものがあり、敷地の境界に無作為に植物を植えれば、生け垣になるというものではありません。
生け垣に適した樹種も多様にあります。樹種選びによって、和風と洋風のいずれの庭にも利用できます。庭の雰囲気だけでなく、家の外壁や庭の敷石、門扉などに合う葉色や花色の樹種を選ぶと、家の外観に統一感が出て、さらなる美観向上が期待できるでしょう。
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生け垣をつくるメリットとは?
フェンスなどのエクステリア資材を使わずに、植物を列植して作る「生け垣」には、どんなメリットがあるのでしょうか。ここでは3つのメリットに注目して、解説します。
外部からの目隠し効果がある生け垣
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道路や隣地との境界には、目隠しの役割として垣根が設けられます。頑強なコンリートやレンガなどが用いられることが多いようですが、これらには圧迫感があって無機質な印象になりがちです。また、コンクリートやレンガなどで覆い尽くすと風通しが悪く、酷暑の夏には熱をため込んで周囲に熱気を放つため、その近くの植栽スペースでは植物が暑さで弱ってしまう場合もあります。これに対し、植物のみずみずしいグリーンを生かした生け垣なら、季節感を楽しめるほか、適度な風通しも保ってくれるのでおすすめです。目隠しを目的とする場合は、1〜2mの高さに仕立てると、ちょうどよいボリューム感となります。
生け垣には、防風・防音の効果も
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敷地との境界線に設ける垣根には、防風・防音の役割もあります。垣根がなければ、強風をまともに受けて家が傷ついたり、飛んできたものが当たって窓ガラスが割れたりすることがあるかもしれません。春の嵐や台風、冬の北風に悩まされる地域では、強風から家を守る対策を講じておく必要があるでしょう。また、垣根は外部からの騒音をやわらげるほか、家の中での会話や生活音を漏れにくくする効果もあります。防音については、コンクリートやレンガ、木などの素材に軍配が上がりそうですが、植物による生け垣でも十分効果があります。特に強風については、枝葉が風を受け流す生け垣のほうが破損しづらいともいえるでしょう。防風を目的とするならば、高さ3〜4mの高垣にするのがおすすめです。
生け垣による景観の向上
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目隠しや風よけの目的のために植栽される生け垣には、一年を通してみずみずしいグリーンの枝葉を保つ常緑樹を選ぶのが基本です。季節を告げる花が咲く花木を植えれば「花垣」に、新芽が美しい樹種を選べば季節によって少しずつ表情を変えて巡る四季の変化を楽しませてくれます。無機質な資材に比べ、生命力溢れる美しい景観をつくってくれるのがメリットで、地域の緑も増え、環境保全の一助になるともいえるでしょう。そのため、生け垣を積極的に推進している市区町村も多いようです。