石川県の能登半島が豪雨に見舞われてから、1週間が過ぎた。元日の地震で大打撃を受けた珠洲市、輪島市、能登町を中心に、甚大な被害が広がっている。
9か月ほどの間に2度も巨大な自然災害に襲われ、被災した人たちからは「心が折れた」といった言葉が漏れてきている。一方で、災害支援の陣頭指揮に立つ石川県の馳浩知事には、その対応に厳しい批判が出ている。
「私の全身全霊をかけて」と宣言
能登半島地震からようやく復旧・復興の道筋が見えてきた時に、豪雨で台無しに――。ニュース映像では、あまりのつらさに涙をこぼす被災者の姿が何度も見られた。現地で支援にあたる団体や自治体の職員、ボランティアの人たちも、苦しい胸の内は同じだろう。
馳知事は自身のXで、今回の災害に関する情報を頻繁に発信している。豪雨翌日の2024年9月22日には輪島市の仮設住宅を訪問。23日は珠洲市と能登町も視察した。25日には「私の全身全霊をかけて、被災された皆さんが再び希望を持てるようにサポートします。市町と連携し、県ができることは全てやります」と宣言している。
ボランティアの参加も連日のように、Xで呼びかけている。28日には動画を公開。「ボランティアの皆様がたにも、泥かき、流木のお片付け、さまざまな支援をしていただいております。専門ボランティアの皆さんにも能登に入っていただいております。本当に助かっております」と説明した。
二重で被災した現状を考えると、ボランティアをはじめ人手が今後ますます必要なのは明らかだ。知事が先頭に立って協力を呼び掛けるのも、うなずける。半面、馳知事のこうした投稿に対して、意見や批判もみられる。
複数の指摘があるのは、ボランティアに対する待遇についてだ。全てを無償の善意に頼るのはどうかと首をかしげる人は少なくない。またボランティア活動への意欲はあるが、被災地が遠方のため日帰りが難しく、交通費や宿泊費で「持ち出し」が多くなるため、こうした費用の助成を馳知事に求める声もあった。
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国と交渉して予算引き出すのが役目との声
ボランティアを巡っては、FLASHの9月26日付記事でこんな指摘があった。
24日に開催された災害対策本部会議で、馳知事が「1日も早く、泥かきなどのボランティアを大規模で投入する必要があると痛感した」と述べたが、この中の「投入」という表現が非難されたのだという。記事では、ボランティアを「まるで自らの指揮命令系統下にあるような発言ととれなくもない」としている。
Xには馳知事を激励するコメントも寄せられている。一方で、善意にばかり頼らず国と交渉して復旧復興のための予算を引き出すのが知事の役目だとの厳しい声があるのも事実だ。これを意識したのか、25日付のXの投稿には、こんなくだりがあった。
「国に対して、出来るだけ早い激甚災害への指定をはじめ、地震と一体的な手厚い支援を要望していきます」