仕事やプライベートで「なぜかうまくいく人」は、どんな言葉を使っているのか? 実は賢い人ほど、相手から期待通りのリアクションを引きだす「ズルくてうまい言いまわし」を日頃から駆使している。
どんな言葉を使えば物事がスムーズに進むのか? 様々なシチュエーションごとに「ダメな言い方」「うまい言い方」を解説した、ひろゆき氏の新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』から、テクニックの一部を紹介しよう。
◆有力者とお近づきになる誘い方
仲よくなれば大きな仕事をとれる可能性がある一方で、偏屈な性格の取引先の人がいる。なんとかお近づきになろうと、「お食事に行きませんか?」などと誘っても「なんで?」と言われそう……。こういう有力者と交流を深めるには、どんなスタンスで臨めばいいのか。
◆共通の趣味や面白い話題よりも「一緒に過ごす頻度」が重要
有力者との太いパイプは誰だって欲しいものです。
「取引先のお偉いさんと仲よくなって仕事に繫げたい」
そんな下心を持ちながら働く人は大勢いるでしょう。また、起業を志すような人なら、出資や繫がりを求めて、大物と言われるような人に近づくチャンスを常に狙っていたりします。
でも、そういった有力者の元には大勢の人が寄ってくるものなので、簡単にはお近づきになれません。さらに、その有力者が「人当たりのいい好人物」だと広く知られていた場合、恐らく近づく人も多くなるので余計に競争が激しかったりします。
ただ、これは逆に言えば、クセのある偏屈な人が相手のほうがチャンスが多いということです。面倒くさがって近づく人が少ないほど、ライバルも少ない状態。仲よくなるだけで好ポジションを得られる可能性が出てきます。
そして経験上、こういった有力者と仲よくなるには、「相手となるべく多くの時間を一緒に過ごすこと」が、最も重要だと感じます。
では、どう話しかけたり近づいたりすればいいのか? よく言われるのは、共通の趣味を探したり何か面白い話題を振ったりすることですよね。確かに会話のきっかけづくりとしては有効でしょう。
しかし、多くの人が寄ってくる人だと、趣味の話題なんて言われ慣れているわけです。偏屈な人なら、むしろ嫌気が差して辛辣な対応をとるかもしれません。
それに、多くの人から仲よくなりたいと思われているような人は、相手の下心や「興味を持ってもらおう」という企みがわかったりします。だから結局、下心やら目的やらを出さずに、定期的に顔を出すようにするのが一番です。
「近くに寄る予定があるので、挨拶にうかがってもいいですか?」
そういった感じで、こまめに会いに行くのがいいと思うのですよ。いきなり行って本人がいなかったら、名刺を置いて帰るのでもいいし、何かしらの適当な口実をつくりながら、共通の時間をつくれるようにするといいです。そのほうがヘタな“地雷”を踏まずに済みますし、自分が思っている以上に、相手には「好意を持っている」と伝わったりします。
そして前述のとおり、こういう直球のコミュニケーションは偏屈な人ほど効果的だったりします。だって、偏屈な人ほど定期的に何回も会いに来てくれる人はいなかったりしますから。
◆有力者とお近づきになるには…
× お食事に行きませんか?
◎ 近くで予定があるので、挨拶に行っていいですか?
構成/杉原光徳(ミドルマン)
―[賢い人が自然とやっているズルい言いまわし]―
【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』