まばたき
向こう側とこちら側で、踏切が開くまでをはにかみながら待つ時間。まばたきをするみたいに、シャッターを切る。
また明日っていうかわり
踏切をはさんで別れ際、どうせまた明日会うのに、覚えておきたい気がしてカメラを構える。
砂浜
旅行先のベトナム・ダナンで見た風景から。海のある土地に訪れると、そこで暮らしている人々の日常を想いをめぐらせてしまう。
木漏れ日
旅行先のベトナム・ダナンで見た風景から。ホイアンで目を惹くのはカラフルな壁の色。鮮やかな黄色に影が落ちて、異国の匂いがする。
コーヒーブレイク
旅行先のベトナム・ダナンで見た風景から。街のそこかしこにカフェがあり、人々の日常が溶け込んでいる。
放課後
旅行先のベトナム・ダナンで見た風景から。ブルーのポロシャツを着た学生たちがバイクに乗って下校する姿を見て、彼らの放課後に思いを馳せる。
食後
旅行先のベトナム・ダナンで見た風景から。ゆるんだ空気とテラス席に吹くぬるい風。
警備員
旅行先のベトナム・ダナンで見た風景から。スーパーマーケットの入口に目を伏せて、眠っているようにも見える。
オレンジジュース
木漏れ日のふるリビング、汗かくオレンジジュースのグラス。
プール
みずみずしさを分け合う。
部活動
放課後のグラウンドには日中とは別のルールがある。ルールとルールが交差していく。
校舎
休日のうちに、校舎は眠る。子どもには見せない静かな顔をしている。
イオン
空が青すぎるイオンの屋上は、ひとりでいるにはすこし心許ない。
しのびこむ
いつかの友だちと、あったかもしれない記憶。
通学
朝の電車内が明るくて、単語帳にも陽射しが差し込む。
夕暮れ
校庭のフェンスの影に手をとらえられて、どこへも行けない夕暮れ。
屋上
駆けあがった先の屋上から見える景色。
花火
どんな人の夜空にも花火はあがる。
夜長
秋の夜は豊か。肌寒さを楽しみながら、夜更かしをする。
長電話
波音のようなノイズに紛れて、ふるえて伝わる音がある。
美食家
宇宙でも随一のひと皿を求めて。
difficult case
難事件の相談は、いつもの喫茶店から。
バレリーナ
日々、自分の身体を観察しながら調整を重ねるすがた。
シネマ
どこかの街にある映画館。
廊下
スペイン・トレドの教会。中庭を囲った回廊に差し込む明るい光。
雨上がり
ポルトガル・リスボンの夕暮れ。曇った空が少しずつ晴れていくところ。
回送列車
波の上をゆく列車のあかり。
家出
日付を超えてから、誰にも見つからないように家を出る。
焚き火
暗やみにからだは溶けだすようで、抱えている秘密だけがかたちを保っている。
夜更かし
水面にゆらめく金色をすくって、町から月を盗んでしまう。
murasaki 村崎
イラストレーター。早稲田大学で日本文学を専攻。青山塾23-25期修了。 会社員として働きながら活動をしています。