52歳になる私は、夫と2人の暮らしの専業主婦です。ひとり息子は、国内でも偏差値トップクラスの大学を卒業して有名企業に就職。私たちに一軒家をプレゼントしてくれるほどの孝行者に育ってくれました。そんな息子がこのたび、ご縁に恵まれて結婚する運びとなったのですが……。
初めは好印象だった嫁
息子のお相手は、お父様が大会社の社長さん。とても育ちの良いお嬢さんだからか、金銭感覚がセレブ思考のようで、式場を超高級ホテルにし、タワマンの最上階を購入予定なのだとか。高給取りながら、私に似て節約家で質素な息子とウマが合うのか心配でしたが、自分がお父様の会社で働いた貯金から資金を出すと言うので、息子も了承した様子。
初めての顔合わせでは、「息子さんが立派ですてきなのは、お母様がそうだからですね!」と私に対してもにこやかでした。
ただ1つ、心配だったのは、彼女がやたら学歴にこだわるタイプだと息子が言っていたこと。実は私は、実家が貧しく、高校に通うことができなかったのです。とはいえ、息子は立派な一流大学卒ですし、聞かれてもいないのにあえて母親の学歴を伝える必要もないと考えていました。
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結婚式の当日に
ところが結婚式当日……。とんでもないアクシデントが起こりました。私が、式に招待されていた兄や妹と昔の苦労話に花を咲かせていたのを聞かれてしまったのです。
「え……? お義母さん、高校に行っていない? 中卒ってことですか?」
私は、タイミングが良くなかったと思いつつ、隠すのもおかしいと「ええ、そうですよ」と返答。すると彼女は、「中卒なんかが義母だって、皆に知られたら私の格が下がる……私をだましたのね!」といきなり怒り出しました。
おまけに、「この私の結婚式に低学歴が参列? 恥ずかしい。中卒の義母は帰って! 叔父さんや叔母さんもよ、どうせあんたらも中卒なんでしょ!」とわめいたのです。
私たちは深いため息をつき、ウェディング姿の新婦にこう言いました。
「わかりました。帰ります」