長かった猛暑の夏もようやく終わり、涼しい風が吹き始めました。そろそろ、翌春に向けて花壇やガーデンのデザインを考え始める季節です。もっとシンプルに、バルコニーに新しい寄せ植えを作るだけでもいいですね。ドイツ出身のガーデナー、エルフリーデ・フジ-ツェルナーさんが、夏のガーデンエピソードとともに、来春に向けた宿根草の庭づくりのポイントを解説します。
収穫を存分に楽しんだ夏の家庭菜園
今年我が家で収穫したこの夏に収穫したスイカと小玉スイカ。Photo/Elfriede Fuji-Zellner
今夏の庭の楽しい思い出は、なんといってもガーデンの恵みを収穫して味わったこと。特に印象に残ったのは、その大きさから1週間近くも楽しむことができたスイカです。背の高い雑草に隠れてその成長になかなか気づかなかったことも相まって、嬉しいサプライズでした。
サプライズはほかにも。ここ数年分の余っていた種子を、棚に戻して取っておきたくなかったため、適当に庭に播いたところ、予想以上にちゃんと成長してくれました。特にオクラとモロヘイヤは、乾燥にも、多湿にも、嵐のような気候にも耐えてよく育ちました。驚きです!
生育のよいモロヘイヤ。NOBUHIRO ASADA/Shutterstock.com
モロヘイヤはどんどん摘んでも、次に見に行くときにはまたもりもりと茂っていて、たっぷり収穫できました。ほんの一口ではなく、大さじ2~3杯分ぐらいを一度に食べられるのは家庭菜園の嬉しいところ。鰹節と醤油でいただいたり、冷やし中華の具材にしても美味しかったです。たまにバッタが食べた穴はありましたが、アブラムシもアオムシもつかず、育てやすい葉物野菜でした。
一方オクラは大きく育ったものの、種まきのタイミングが遅すぎたため、いまだに実を付けるほど充実していません。収穫できないか、できてもとても遅い時期になってしまうでしょう。雑草の下には、どうやってかは知りませんが、夏を越えたジャガイモも育っています。これも食べられる嬉しいサプライズです。
暑さに強く葉が大きなサトイモ。dokosola/Shutterstock.com
夏にとてもよく育ったサトイモも、9月に収穫を開始。本来の収穫期は10~11月なので、まだイモは小さいですが、味見のために一部を早めに収穫してみました。サトイモは収穫の楽しみはもちろん大きな葉も素晴らしく、庭に日陰を提供してくれる植物です。
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最近のヒットはつる植物
ヘチマの花。Lahore Qalandars7/Shutterstock.com
この夏のお気に入りの庭シーンは、カキの木に絡むヘチマの大きな黄色い花。夏空の下で黄色い花が咲く姿は、とてもエキゾチックでトロピカルでした。
最近、つる植物がとても気に入っています。油断するとすぐに育ちすぎるにしても、素敵なシェードとたっぷりとした緑を提供してくれます。
ここでつる植物の役割を果たしたヘチマは、食用として育てられる地域もありますが、私の場合はタワシとしての利用しかしていません。乾燥してスカスカになったタワシは面白い音がしてとても軽いです。ヘチマをたくさん収穫したので、これからのタワシ作りの成果が楽しみ。友人へのクリスマスプレゼントにもいいかもしれませんね!
ヘチマタワシ。F de Jesus/Shutterstock.com
このような自宅で育てたオーガニックなものは、ギフトにおすすめ。とても喜ばれますよ。ちなみに、ドイツでは、風邪の後に回復を早める薬にもヘチマが利用されています。