水気をたっぷり含んだナスと、自家製黒豚のパンチェッタ。

今日は何が出てくるだろうと楽しみにしていたら、ナスのピクルスに自家製のパンチェッタをかぶせたタルティーヌが登場しました。ピクルスといっても、ひと晩漬けただけの浅漬けで、マリネのほうがイメージに近いかもしれません。このナスの食感が、とても興味深いものでした。水分をたっぷり含んだキノコの軸のような、いわれなければナスとはわからなかったのではないかと思います。スライスしてから塩もみし、エスペレット唐辛子とバジルを加えたオリーブオイルに漬けているそうで、すごく元気になる味でした。それにパンチェッタ。

『ル・ドワイヤネ』は黒豚を放牧していて、ハム類を作っています。レストランの食事では、最初に3種のハムが提供されるのですが、始まりなのにクライマックス級の、おいしさの軸が揺るぎないのです。それをタルティーヌで頬張るしあわせたるや……。塩気がしっかりした構成も、ごちそうの翌日に食べるブランチのようで、前夜にごちそうは食べていなかったけれど、そんな気分まで味わえました。

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2024年9月20日

ほぼ1か月ぶりの訪問。この日はまずタルティーヌの撮影をする段取りになりました。告げられた素材は、イチジクです。あのイチジクが、ついにタルティーヌとなって出てくるのかぁと思ったら、作るところからずっと見ていたくて、厨房で見せてもらいました。