リレー栽培STEP1
チューリップを選ぶ


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チューリップの原種は150ほど。自生地はトルコを中心に、西は地中海沿岸、東はトルキスタン地域などです。園芸種は一万近くになっているといわれ、原種などの系統、開花時期と花形によりグループ分けされていますが、さらに花色の変化、草丈の高低の要素が加わり、よく言えば選択の幅が広い、逆に言えば選ぶのに迷いが生じてしまうというのが現状です。

チューリップの分類は、オランダ王立球根協会による15種の園芸種分類表が広く受け入れられています。こちらは、開花時期(早生、中生、晩生)や花形(一重、八重、チューリップ系、フリンジ系、パロット系)などによって分類整理されています。

【オランダ王立球根協会による分類表】

分類略号開花期特徴代表的な品種一重早咲き (Single Early)SE早生(4月上旬~)15~50cmの草丈。茎は強いアプリコットビューティー クリスマスドリーム八重早咲き (Double Early)DE早生(4月上旬~)大輪、25~40cmの草丈ピーチブロッサム モンテカルロトライアンフ (Triumph)T中生(4月中旬~)花形がよく整う。35~60cmの草丈ロザリー アニー・シルダーダーウィンハイブリッド (Darwin Hybrid)DH早生(4月上旬~)大きな花。50~70cmの草丈ピンク・インプレッション オックスフォード一重遅咲き (Single Late)SL晩生(4月下旬~)45~80cmの草丈ピンク・ダイアモンド クィーン・オブ・ナイトユリ咲き (Lily-flowered)L晩生(4月下旬~)50~65cmの草丈バレリーナ マリリンフリンジ (Fringed)FR晩生(4月下旬~)一重遅咲きに似るが花弁トップに細かな切り込みが入る。草丈40~80cmファンシーフリル ランバーダビリディフローラ (Viridiflora)V晩生(4月下旬~)花弁に緑の筋が入る。草丈25~60cmスプリング・グリーン グリーンランドレンブラント (Rembrandt)R晩生(4月下旬~)花弁に白などの筋が入る。45~65cmレムズ・フェイバリットパロット (Parrot)P晩生(4月下旬~)花弁にねじれが生ずる大輪花。草丈50~65cmフレーミング・パロット ブルー・パロット八重遅咲き (Double Late)DL晩生(4月下旬~)大輪。草丈40~60cmアンジェリケ マウント・タコマカウフマニアナ (Kaufmanniana)K超早生(3月下旬~)細めの小輪。草丈10~25cm。宿根しやすいフローレスタ ストレーサフォステリアナ (Fosteriana)F超早生(3月下旬~)細めの大輪。草丈20~40cm。宿根しやすいレッド・エンペラーグレイギー (Greigii)G超早生(3月下旬~)葉に筋が生じる。草丈23~50cm。宿根しやすいレッド・ライディングフッド原種系 (Miscellaneous)M超早生~中生(3月下旬~4月中旬)小輪。超早生が多い。草丈7.5~45cmレディ・ジェーン

開花の様子を想像しながら品種を選ぶのはじつに楽しく、園芸の醍醐味を味わえる至福の時間かもしれませんが、数多い品種を網羅したカタログなどを前にすると目移りしてしまいがちです。どの品種を選ぶか、事前にある程度プランを立てておくことをおすすめします。

例えば、

原種系の早生種→トライアンフ系など中生種→ユリ形など晩生種とつないで開花を長く楽しむ

淡いピンク/イエロー/モーブ(藤色)などニュアンスカラーで揃える

クリムゾン/パープル/イエローなど、ビビッドな色の組み合わせで春を演出する

一重咲き/ユリ咲きなど花形を組み合わせる、あるいは統一する

株の高さを合わせる、あるいは変化をつける

といったところでしょうか。

下の例は早生の原種系、花形が整った中生種のトライアンフ系、晩生のフリンジ系を選んだ例です。

早生:レッド・エンペラー(F)、レディ・ジェーン(M)


‘レッド・エンペラー(Red Emperor)’(左)と‘レディ・ジェーン(Lady Jane)’ (右)。Photo/Andre Carrotflower [CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons]、peganum [CC BY-SA 2.0 via Wikimedia Commons]

中生:ロザリー(T)、オルレアン(T)、アニー・シルダー(T)、ハッピー・ジェネレーション(T)


左上から時計回りに‘ロザリー(Rosalie)’、‘オルレアン(Orleans)’、
‘ハッピー・ジェネレーション(Happy Generation)’、‘アニー・シルダー(Annie Schidler)’。Photo/Cillas、Agnieszka Kwiecień[CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons]

晩生:ファンシーフリル(FR)、ランバーダ(FR)


‘ファンシーフリル(Fancy Frills)’(左)と‘ランバーダ(Lambada)’ (右)。Photo/Kor!An [CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons]、Anrie [CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons]

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リレー栽培STEP2
冬咲き一年草を選ぶ

10月のチューリップの球根を植え込むとき、冬から早春まで開花する低い草丈の一年草を選んで、チューリップの芽出し時期にも差し障りがないよう重なりを避けて混植しておくと、チューリップの開花までの“空き”の時間を埋めることができます。

【冬咲き一年草の例】

パンジー/ビオラ(Viola x wittrockiana:スミレ科スミレ属)
プリムラ・ジュリアン(Primula x juliana:サクラソウ科サクラソウ属)
ノースポール(Leucanthemum paludosum:キク科フランスギク属)


(cap)左から、パンジー、プリムラ、ノースポール。Denis Achberger、Eugene_may、rinda badi novtari/Shutterstock.com