「住みたい」と思わせる、ミニマルなラグジュアリーさが漂う。ホテル虎ノ門ヒルズの魅力とは

虎ノ門ヒルズの開業から約10年を経て、昨年12月、「ホテル虎ノ門ヒルズ」が誕生した。そこは、虎ノ門ヒルズ・プロジェクトの締めくくりであり、新章を表すホテルである。

ハイアットの気鋭ブランド「アンバウンド コレクション by Hyatt」の東京初進出の施設でもあり、料理はオランダ出身のスターシェフが監修。

注目すべきことがいくつもあるホテルは、泊まってみると他にはないユニークなディテールに溢れていた。

ホテルが位置するのは、新たなグルメ処「Tマーケット」が入る虎ノ門ヒルズ ステーションタワー。

行き交う人の活気を感じて1階ロビーで鍵を受け取り客室階へ上がると、レンガ色の廊下が伸びる。

色みも照明も鏡もすべて格好よく、流石、デンマークのデザイナーユニット「スペース・コペンハーゲン」が手がけた空間。いま一番ホットな都内ホテルの廊下だ。

客室はミニマルかつ洗練された設計で、“住みたい”と思わせる質感。

嬉しいのが、都内ラグジュアリーホテル初、浄水機能付き水栓を全室に備えていること。

サステナブルかつ水の追加を頼む手間が省け、我が家感も増す。

館内の料理監修は、ベルギーやオランダで活躍するスターシェフ、セルジオ・ハーマン。

彼のアジア初進出店となる『ル・プリスティン東京』は、海辺で育ったシェフの感性と日本の食材が見事にマッチし、デザインや音楽もハイセンスな没入型ガストロノミーだ。

魅力を後押しするのがペアリング。

チェリービネガーを使ったロブスターサラダに合わせられたのはプラムのニュアンスがあるジョージアワインで、甘酸っぱさと旨みの融合が完璧だった。

セルジオ氏が飲料なども監修し、生ハムとペコリーノチーズがかかった朝食の卵かけご飯は、朝から泡酒が欲しくなる美味しさである。

チェックアウト後に向かったのは、チェックイン前、アウト後も滞在中は何時でも利用できる「ザ・ラウンジ」。

フリーの小菓子やドリンクが並び、ロッカーにシャワー室、横になれる個室まであり、まるで空港のラウンジだ。深夜早朝便に乗るゲストに大助かりなのはもちろん、仕事での利用もよし。

ここには、「遊びの幅の広い虎ノ門を存分に楽しんでほしい」との意図もあり、筆者も荷物を置いて手ぶらで散策。戻って2時間デスクワークをして夕方にホテルを出ると1.5泊気分だ。

ホスピタリティの塊みたいなラウンジが最後の印象となり、もうこのホテルを好きになるに決まっている。



■施設概要

施設名:ホテル虎ノ門ヒルズ

住所:港区虎ノ門2-6-4 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー内

TEL:03-6834-5678

料金:1泊¥73,370~