平屋のスキップフロアの注意点
空間を有効活用できるスキップフロアですが、注意点もあります。次の点も考慮したうえで、導入を検討しましょう。
建築費用や固定資産税が高くなる
スキップフロアは、段差や階段で新たに空間をつくるため、材料費や手間がかかります。一般的な二階建てと比べても建築コストは高くなるでしょう。また、構造計算を含め、耐震性を高めるための費用もかさみます。さらに、スキップフロアを設けることで床面積が広くなるため、固定資産税も高くなるなど、あらゆる面でコストが増すのがスキップフロアのデメリットです。
室温管理が難しい
スキップフロアは細かい仕切りのない、大きなひとつの空間になっています。そのような構造上、室温の管理がしにくく、冷暖房の効率が悪くなりがちです。特に暖気は上昇しやすいため、同じフロアにいても温度差を感じやすいでしょう。対策としては、断熱性能を高める施工法や、空気を循環させるためにシーリングファンの設置などが有効です。
音が反響しやすくなる
スキップフロアを設けるために勾配天井を取り入れると、音が反響しやすくなります。音楽や映画などの趣味の場であれば音響効果が高まるため、より楽しむことができますが、日常生活では反響音が気になる人もいるでしょう。
音を吸収する素材を部屋に増やすことで、反響音を抑えることはできます。音を吸収しやすい布製のカーペットやカーテンなどは音漏れ防止に効果的です。本にも吸音性があるため、本棚を設置しても良いでしょう。
バリアフリーにできない
スキップフロアのある家は、室内に階段を設けることになるため、完璧なバリアフリー住宅にはできません。掃除などの日常の動作は年齢を問わず労力が必要です。
また、収納スペースとして活用する場合も、階段を使用した荷物の出し入れは、高齢になってから負担を感じやすいとの声もあります。
高齢になると、筋力も衰えるため、いずれ活用しなくなることも懸念されている点です。
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スキップフロアがある平屋の間取りで後悔しない活用例
平屋の家にスキップフロアを取り入れた場合、活用次第で快適性が上がります。ここでは、スキップフロアの活用実例をご紹介するので、より具体的にイメージしてみてください。
子供部屋として活用する
子育て世代の家庭であれば、スキップフロアを子供部屋として使用する方法が人気です。子供にとってちょっとした秘密基地のような雰囲気があるスキップフロアなら、ワクワクした気分で過ごせるでしょう。
リビングと緩やかに繋がる設計にすれば、いつでも声をかけることができ、子供の様子を見守りながら家事ができます。子供専用のスペースを設けることで、共有スペースにおもちゃが散らかることもありません。
収納スペースを確保する
平屋の間取りの場合、思うように収納スペースが確保できないこともあるでしょう。スキップフロアを収納スペースとして活用すれば、日常的に使用しないものなどをしまっておけるため、居室がすっきりと片付きます。
また、フロアだけでなく、階段下も収納庫や棚として利用可能です。掃除アイテムや消耗品のストックなどをしまっておくなど、便利に活用できます。
シアタースペースとして活用する
スキップフロアにプロジェクターを設置すれば、シアタールームとして活用可能です。シアタールームは、プロジェクターで投影できる壁もしくは大型のスクリーンと、プロジェクターが付いているシーリングライトがあれば完成します。趣味の時間を満喫したい場合は、勾配天井にして反響効果により臨場感を生み出すのがおすすめです。
書斎やワークスペースとして活用する
書斎やワークスペースが欲しいものの、間取りの広さに余裕がない場合は、スキップフロアを活用しましょう。
家族の気配を感じつつ、落ち着いて集中して作業する場所を確保できます。Web会議をする場合も、家族が映り込む心配がありません。
居住スペースとは切り離された、プライバシーを守れる空間を持てます。
ゲストルームとして活用する
スキップフロアをゲストルームとして活用する方法もあります。使用頻度の低い客間を間取りに入れる必要がなく、中二階として扱うことが可能です。
ただし、間仕切りがない分、来客者によってはプライバシーが守られないため、落ち着かないと感じるかもしれません。
気心の知れた友人や親戚、子供の友達や家族などであれば、繋がりを感じながら過ごすことができるでしょう。