「なんとなく30歳以降?」「結婚したら買う?」など、家を買うタイミングに迷う方も多いのではないでしょうか。
今回は、家を買うタイミングについて独立系ファイナンシャルアドバイザーの千葉さんにインタビュー!家を買うタイミングや注意点、ライフプランの大切さなどをお聞きしました。
お話しを伺った方
独立系ファイナンシャルアドバイザー 千葉 登(ちば のぼる)さん
【資格】
AFP(日本FP協会認定)、証券外務員一種、相続診断士、ライフコンサルタント
【経歴】
1972年青森生まれ。青森の住宅会社で10年間勤務し、トップ営業を2年連続で取得。その後は保険代理店に所属しながらファイナンシャルアドバイザーとして活動しており、MDRTを5年連続獲得。現在9年目を迎える。
家を買うタイミングはどう決める?
家を買うタイミングは、「いくら貯まったら家を買う」という資金面から考える場合と、結婚や出産などのライフイベントから考える場合に分けられます。家を買うタイミングは、どちらの考え方で決めるのがよいのでしょうか。
家を買うにはいくら必要?頭金の目安
ー家を買うには頭金をいくら用意すればよいのでしょうか?
一般的には土地と建物を足した金額の2割ほどといわれています。私としては2割より低くてもよいと考えています。手元の資金をすべて頭金にするよりは、多少頭金を減らしてでも資金を持っておくほうがよいと思うためです。
ー手元に残る資金は、家を買うこと以外に充てるのでしょうか?
はい。家を買うこと以外にも、教育費や老後の資金など、まとまったお金が必要になるときは多々ありますよね。家を買うことのみ考えるのではなく、バランスよく資金を使うことが大切です。
お金が貯まるのを待つより、老後を見越して早めに行動!
ー家を買うには、金額面から考えるかライフイベントから考えるかどちらがよいと思いますか?
ライフイベントから考えるほうがよいと思います。「頭金がいくら貯まったら家を買う!」と決めて貯金するのもよいのですが、住宅ローンを組むのが遅れると、老後にローンが残ってしまうかもしれません。
35年で住宅ローンを組む場合、頭金を少なめにして30歳からローンを組んで家を買うのであれば、ちょうど65歳で返済が終わります。一方で、頭金が貯まるまで5年間我慢した場合、同じく35年ローンを組むのであれば返済は70歳まで続いてしまいます。
老後に住宅ローンの返済を残さないほうが安心ですし、老後の見通しが立てやすいのです。
月々の返済+貯蓄で老後も安心できる資金計画を
ーなるほど。65歳で返済が終われるように住宅ローンを組むことが大切なのですね!
現役時代に返済を終えられるのがベストである一方、無理やり65歳で終わるローンを組むことはおすすめしません。現役時代に返済が終わらない場合は無理やり老後に残さないローンの組み方をするのでなく、できるだけ返済期間を長く設定しましょう。
月々の支払いを圧迫しないためにできるだけローンの返済期間を長く設定し、老後に返すような仕組みを同時につくっていくことが大切です。
ー老後に返すような仕組みとはなんですか?
端的にいうと貯蓄です。住宅ローンの返済にいっぱいいっぱいで貯蓄ができないと、教育資金や老後資金などほかの資金に充てられる余裕がなくなることもあります。住宅ローンは多めに借りても、しっかり貯蓄できるような資金計画を立てましょう。
ー月々の支払いを抑えながら貯蓄をするのですね!
そうですね。いちばんよくないのは、月々の返済額を低くして貯蓄をしないことです。貯蓄するという前提でローンの返済期間を長く設けているため、老後に600万円返済が残るのであれば、貯蓄して600万円返せるような仕組みをつくる必要があります。
老後にいくら貯めると目標を決めて、そこから逆算するように毎月の返済額を決めていきます。
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ライフイベントから考える家を買うタイミングとは?
結婚、出産などのライフイベントから家を買う方も多いのではないでしょうか。ライフイベントから考える家を買うタイミングについて、くわしくお聞きしました。
ケース①結婚を機に家を買う場合
ー結婚を機に家を買う際のポイントは?
子どもは何人つくるかなど読めない部分があるため、仕切りで何部屋もつくるのではなく将来的に部屋数やスペースを調節できるような家にするとよいでしょう。
人気の部屋タイプとして、小さい子ども部屋と夫婦の寝室が一体となったものが挙げられます。子どもが小さい時は近くにいるため安心ですし、大きくなったら仕切りを設置して部屋を独立させることもできます。
結婚を機に家を買うとお互いの家賃を節約できるため経済的である一方、家族構成が読めないので家づくりに困ることも。事前に子どもは何人欲しいか計画を立て、柔軟に対応できる家をつくることが大切です。
ケース②出産を機に家を買う場合
ー出産を機に家を買う際のポイントは?
家を買う際は住宅資金だけに注力するのではなく、教育資金や老後資金なども含めて資金計画をすることがポイントです。
親は、子どもがやりたいことに思い切り挑戦できる環境をつくりたいと思うもの。住宅資金とのバランスを見ながら資金計画を立てましょう。
ケース③子どもの入学を機に家を買う場合
ー子どもの入学を機に家を買う際のポイントは?
小学校の近くに新築するのは必ずしもベストではないことです。住宅ローンの返済期間が35年ある中、小学校に通う期間はたった6年。その6年のみを見て購入する家や土地を決めるのは、あまりおすすめしません。
子どもが中学・高校・社会人となった時に利便性のよい場所はどこか、また自分の通勤や買い物のしやすさなど、家族全体にとって最適な場所を考えながら家を探しましょう。
家を買うタイミングはいつがいい?見定めるポイント
ー家を買うタイミングはどのように決めるとよいですか?
老後の見通しがはっきりしたタイミングで家を買うとよいでしょう。
人生100年時代といわれている現在、定年退職した65歳以降も住宅ローンが1本まるっと借りられる期間(35年)が襲ってきます。老後は切っても切れないため、50~60代でローンがいくら残るか、修繕はどのタイミングでするか考え、逆算していくら必要か計画することが重要です。