1.認定薬剤師とは
薬剤師としての専門知識を証明できる資格
認定薬剤師とは、特定の研修を受けて高い専門性があると認定された薬剤師のことを指します。
認定薬剤師になるには
認定薬剤師になるには、公益社団法人薬剤師認定制度認証機構(CPC)によって定められた研修単位を取得し、認定を受ける必要があります。
研修単位は、CPCが提携する認定薬剤師研修機関(プロバイダー)の研修を修了することで取得できます。
なお、医療・薬学の知識は日々進歩するため、認定制度は更新制を採用しています。各資格の認定期間は3〜5年程度で、期間満了までに一定の単位の取得や学会発表、症例報告などの条件を満たしたうえで更新申請をする必要があります。
キャリアやスキル、年収アップにつながることも
認定薬剤師の資格は、客観的な知識・自己研鑽の証明にもなるため、スキルアップだけでなくキャリアアップにも役立ちます。例えば、「管理薬剤師」や「かかりつけ薬剤師」になるための要件にも、研修認定資格等の取得が含まれます。また、昇級するために認定薬剤師資格が条件とされる場合もあります。
一部の職場では、認定薬剤師資格の取得支援や資格手当がある職場もあります。2024年9月時点でジョブメドレーに掲載されている求人では、5,000円〜2万円程度の資格手当が確認できました。
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2.認定薬剤師制度の種類
薬剤師の認定制度は大きく以下の3つに分類されます。
生涯研修認定制度特定領域認定制度専門薬剤師認定制度
生涯研修認定制度
生涯研修認定制度は、薬剤師として必要なスキルや知識を最新に保つために発足した制度です。業務に必要な知識を網羅的に学べるため、認定薬剤師にとって重要な制度といえます。
生涯研修認定制度に該当する資格は複数あり、もっとも人気が高い「研修認定薬剤師」は2024年7月時点で5万830人が取得しています。全国の薬剤師約32万人のうち15%以上が有資格者になる計算です。
特定領域認定制度
特定領域認定制度は、生涯研修認定制度の特定の分野に特化した専門知識やスキルを学べる上位の認定制度です。
2024年9月時点で特定領域認定制度に該当する資格は「プライマリ・ケア認定制度」や「在宅療養支援認定薬剤師制度」などの6種類です。
専門薬剤師認定制度
専門薬剤師認定制度は、特定領域認定制度より上位の認定制度です。生涯研修認定制度と特定領域認定制度は学習成果を証明する資格なのに対し、専門薬剤師認定制度は特定の疾患や診療領域の薬物療法についての能力を保証する資格です。
専門薬剤師資格を取得することで、病院や薬局で認定薬剤師を監督する立場に就いたり、薬物療法の専門家として、病院や地域包括ケアシステムのチーム医療に参加したりできるようになります。