日本上陸60周年を記念した世界巡回展が京都に。クリエイティビティ溢れる展示の数々。

100年以上にわたる〈グッチ〉の歴史の中で、特にアイコニックなデザインを展示するエキシビジョン「GUCCI COSMOS」。2023年4月に上海、同年10月にロンドンで行われた世界巡回展がついに日本に上陸。ブランド創設の地、イタリアのフィレンツェと姉妹都市である京都の京都市京セラ美術館で2024年12月1日まで開催される。

これまで継承されてきたグッチのスピリットがどのようにアイコニックなデザインに生かされてきたか、またそれぞれの時代を象徴するアイテムがいかにして歴代のクリエイティブ・ディレクターやデザイナーたちにインスピレーションをもたらし、再解釈されてきたかを探求していく構成になっている。展示の考案とデザインは、イギリスの著名なコンテンポラリーアーティスト、エス・テヴリン、キュレーションはイタリアのファッション研究家であり評論家のマリア・ルイーザ・フリーザが手がけている。

館内には、フィレンツェに収蔵されている多数の未公開品を含む貴重なアーカイブが並び、グッチの伝統とクラフツマンシップを感じ取ることができるだけでなく、京都市京セラ美術館のコレクションの絵とともに展示されたコーナーなどもあり、京都ならではの伝統文化との融合も堪能できる。

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伝統と革新が生まれる場所ならではの空間に。

万華鏡の世界に入り込むようなエントランス。グッチオ・グッチの誕生からサバト・デ・サルノの時代に至るまでのタイムラインをビジュアライズして文字を映し出すインスタレーションに目を奪われる。先へ進むと、アーカイブ作品や資料が引き出しや棚、展示ケース、ボックスに収納され、自由に探索できるコーナー「Time Maze-時の迷宮」が現れる。1920年代後期の貴重なキャンバス製スーツケースもあり、創設者であるグッチオ・グッチがロンドンのザ・サヴォイ ホテルでの経験からインスピレーションを得て、ラゲージの製造からブランドをスタートさせたことを彷彿とさせる。他に、1966年の誕生以来、今もスカーフなどで愛され続けている”フローラ”プリントを用いた1969年のシルクドレスなどもあり、〈グッチ〉のデザインの歴史を知ることができる。

次のコーナー「Zoetrope-乗馬の世界」では、乗馬が駆け抜ける映像の中に、乗馬の世界とつながるシグネチャーモチーフの服が並ぶ。1953年にアルド・グッチがローファーに取り入れたホースビット、馬にサドルを固定するための腹帯からインスピレーションを得たグリーン、レッド、グリーンのウェブストライプなどの軌跡を円形の空間で堪能できる。