バーミキュライトの特徴


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バーミキュライトには、ガーデニングをするうえで知っておきたい、たくさんの効果や特性があります。ここからは、そんなバーミキュライトの特徴についてご紹介します。

保水性・排水性


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バーミキュライトは、その特徴的な構造である蛇腹状の隙間にたくさんの水分を含むことができるため、保水性があります。バーミキュライトの体積の25~30%の水を吸収して水もちをよくし、水に溶け込んだ肥料分も保持することができます。

さらに、薄い層が積み重なった構造をしているため水や空気を通しやすく、水はけが悪く酸素不足になってしまった土に加えることで、土の排水性や通気性を改善させる効果もあります。

また、微細なバーミキュライトの粒はマイナスの電気を帯びており、酸性から中性ではプラスの電気を帯びている赤土などの粘土の微細な粒とくっついて団粒構造(だんりゅうこうぞう)を作り、内部に水や空気を保持することができます。

断熱性


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バーミキュライトは表面にたくさんの穴があいていることから、外からの熱を遮断し、内部に熱を保ちやすくなっています。熱すぎる真夏には土の温度が上がりにくく、気温が下がる冬には土の温度が下がりにくいという、植物の根にとって優しい資材です。

無菌性


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バーミキュライトは製造時に高温で処理するため、ほぼ無菌の状態です。

無菌状態の土は、作物を育苗したり挿し木をする際に、病害虫が発生する確率を減らす目的でも使用することができます。

軽量


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空洞部分が多いためバーミキュライトは非常に軽く、一般的な土のおよそ10分の1以下の重さしかありません。そのため、他の園芸土に混ぜると、土全体の重量を軽くすることができます。あまり重くしたくない空中に吊るハンギングバスケットや、土の持ち運びに苦労するベランダなどでのガーデニングでは嬉しい資材です。

保肥性


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バーミキュライトは塩基置換容量という、土中に含まれるカルシウムやマグネシウム、カリウムを保持する能力が高い資材です。そのため肥料が無駄に流れ出にくく、日頃の水やりで肥料分が流出しやすいプランター栽培にも適しています。

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パーライトとの違いは? 用途で使い分けよう


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パーライトもバーミキュライトと同じように原料のガラス質の鉱物を急激に蒸発させて作られています。そのためパーライトも多孔質で軽く、バーミキュライトと同じように土壌改良に使えます。

バーミキュライトに比べ、パーライトは総じて「排水性」が高く、軽いのが特徴です。それに対してバーミキュライトは水を吸うとやや粘り気が出て、しっかりとした重みのある「保水性」の高い土になります。

また、バーミキュライトは保水性と排水性のバランスがよく、特に性質を選ぶ必要はありませんが、パーライトには性質の異なる2種類のものがあるため、用途に応じて選ぶ必要があります。

パーライトには黒曜石が原料の黒曜石パーライトと、真珠岩が原料の真珠岩パーライトがあります。原料の水分量が違うため膨張した後の穴の大きさが異なり、黒曜石よりも真珠岩のパーライトのほうが穴が大きくなっています。黒曜石のほうが水はけがよく、真珠岩のほうが水もちがよいという特徴があります。

バーミキュライトやパーライトを使用するときには、種まきや一般的な土壌改良にはバーミキュライト、水はけをよくしたい場合は黒曜石パーライト、水もちをよくしたい場合は真珠岩パーライト、と使い分けるのがおすすめです。