幸せホルモンと呼ばれる神経伝達物質、セロトニンを含むものをはじめ、食べると「幸せになれる」と科学的に証明されている“ハッピーフード”を紹介する。マリ・クレール インターナショナルのベルギー・フランス語版デジタル記事よりお届け。
幸せになるのに、それほど時間はかからない。その証拠に、幸せはお皿の上にもある。グルテン、発がん性のある赤身肉、過剰な砂糖の危険性についての意識を高めたら、幸せになる食べ物について話すときだ! そして私たちは今、それらを本当に必要としている。
数多くの科学的研究により、特定の食品(食物繊維、必須脂肪酸、アミノ酸、トリプトファン、ビタミンB群、マグネシウム、カリウム、セレニウム)の成分が、私たちの健康に自然と影響を与えることが明らかになっている。
私たちはどのように、それを行っているのか? 私たちの脳は多数の神経伝達物質で構成されている。これらは私たちが飲み込む栄養素によって作られる。これらの神経伝達物質は脳で作られることが多いが、「第二の脳」と呼ばれる腸でも作られる。あなたを幸せにする食べ物とは何だろうか?
1/10
サーモン
この投稿をInstagramで見る
Lisa Bryan(@downshiftology)がシェアした投稿
脂ののった魚にはオメガ3と脂質が豊富に含まれている。オメガ3は心血管疾患を除去するよう努め、良好なコレステロール値を維持するのに役立つ。この脂肪酸は幸福感にも効果があることが証明されている。魚の消費量が多い国では、オーストリアやハンガリーのような海にアクセスできない国より、うつ病の発生頻度が低いと言われている。
脂質はメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌に作用する。脂質の多い食事は、睡眠障害対策に役立つ。オメガ3を最も多く含む魚は、サケ、ニシン、サバ、イワシである。少なくとも週に2回は食べよう!
2/10
ダークチョコレート
うれしいことに、チョコレートはあなたを幸せにしてくれる食べ物のひとつだ。チョコレートに含まれるカカオは、ドーパミンとエンドルフィンといった快楽をもたらすホルモンを分泌する。つまり、天然の抗うつ剤なのだ。
たとえこれらの成分がチョコレートに微量しか含まれていなかったとしても、チョコレートが私たちに与える多幸感は誰もが認めるところだ。GI値(グライセミック・インデックス)が非常に低く、従って太りにくいカカオが豊富なダークチョコレートがよりよい。1日1~2かけのチョコレートをお勧めする。
3/10
バナナ
幸福のフルーツの代表格であるバナナは、ダイエット中には好まれない。しかし、依然としてアスリートにとっては最高の食べ物だ。バナナはビタミンB6とマグネシウムが非常に豊富である。バナナに含まれる糖分は、リラックス作用があり、感情の状態を改善するセロトニンの生成を促す。ストレスの多い人には最適だ!
4/10
アボカド
この投稿をInstagramで見る
TODAY(@todayshow)がシェアした投稿
バナナと同様、アボカドもしばしば最も栄養価の高い食品と分類されるため、推奨されてこなかった(100グラムあたり約260キロカロリー)。今日では、アボカドが高血圧、コレステロール、糖尿病に効果があり、気分を高めてくれる特性を持つことに、私たちは大喜びしている!
チロシン(アミノ酸の一種)が豊富で、リビドー(人間が生きていくために本能的に備わっている欲求)や社交性を高める神経伝達物質を生成する。また、抗ストレス作用で知られるマグネシウムも含まれている。しかも、すぐに満腹感が得られるのだ。それを避ける理由はない。
5/10
トマト
この投稿をInstagramで見る
B R I G H T L A N D(@wearebrightland)がシェアした投稿
トマトの美しい赤い色はリコピンのおかげだ。この抗酸化物質の効果は、調理すると10倍に高まる。2012年に発表された、ある日中共同研究によると、リコピンは私たちのウェルビーイングを向上させる。トマトを週に2~6回食べると、食べない人に比べて、うつ病のリスクが46%減少するという。もちろん、トマトは旬の時期に食べるのが一番だ。それ以外の季節は、ドライトマトが良い代替品となる。
6/10
ガーキン(きゅうりの一種)
この投稿をInstagramで見る
smitten kitchen(@smittenkitchen)がシェアした投稿
ガーキン(欧米ではピクルスで有名)は「サイコバイオティクス」である。つまり、精神衛生を改善するプロバイオティクス(善玉菌)だ。ザワークラウトやヨーグルトのように、消化管でセロトニンとドーパミンを生成させる発酵食品である。
腸内フローラと腸内発酵を整え、気分、記憶力、脳機能によい影響を与える。言ったとおり、腸は第二の脳なのだ!
7/10
サフラン
伝統的な東洋医学では幸福のスパイスとされるサフランは、90以上の病気の治療に使われる。食欲や強迫的な間食を調整することで、軽度のうつ病や摂食障害をなくすよう努める。この天然のフルオキセチン(抗うつ剤のひとつ)は、よく知られた薬の副作用を引き起こすことなく、うつ病と闘う。だから数え切れないほどの効能を持つこのオレンジ色の雌しべを、米のレシピにたっぷりと加えよう。
8/10
アーモンドとクルミ
油糧種子は、食間の小腹が空いたときに最適なスナックと考えられている。食物繊維、マグネシウム、必須アミノ酸、ビタミンB6もまた豊富に含まれている。このビタミンはエネルギーを供給し、疲労と闘い、ストレスを和らげる。
ブラジルナッツはいくらでも食べてしまう。セレニウムが非常に豊富で、士気の低下、ストレス、神経過敏に抜群の効果を発揮する。間違いなく、私たちが大好きなハッピーフードのひとつだ!
9/10
ベリー類
この投稿をInstagramで見る
La Grande Épicerie de Paris(@lagrandeepicerie)がシェアした投稿
ラズベリー、レッドカラント、ブルーベリー、ブラックベリー、クコの実、カシス、クランベリー……赤い果物は細胞に酸素を供給する。ビタミンC、ミネラル、食物繊維、脂肪酸も豊富で、抗酸化物質もたっぷりだ。これらは細胞の早期老化を遅らせ、健康な脳機能にとって非常に重要である。
10/10
そば粉
この投稿をInstagramで見る
La Mercerie(@lamercerieny)がシェアした投稿
この“黒いゴールド”はアミノ酸が豊富で、グルテンフリーという利点もある。だからケチらずに、週に3、4回は自分なりの方法でブルトン・パンケーキ(仏ブルターニュ地方のクレープ)を食べよう。
この投稿をInstagramで見る
Marie-laurence Grézaud(@marilaurence)がシェアした投稿
このテーマについて詳しくは『Ces aliments qui rendent heureux』(Michel Lafon版)
Bernard Fontanille(ベルナール・フォンターニュ)、Marie-Laurence Grézaud(マリー=ローレンス・グレゾー)著を。
※( )内編集部注
translation & adaptation: Akiko Eguchi
「砂糖依存症」から脱するための効果的なテクニック
なぜ食事の最後にいつもデザートが食べたくなるのか