住宅購入の際に加入する団体信用生命保険。「月々いくらの負担になる?」「団体信用生命保険の選び方は?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
今回は、金融機関で11年の勤務経験を持つFPの枡井由佳里先生にインタビュー!団体信用生命保険の特徴や選び方、月々の返済額などをくわしくお聞きしました。
お話しを伺った方
枡井 由佳里(ますい ゆかり)さん
【資格】
AFP、証券外務員、年金アドバイザー、クレジットカードアドバイザー®︎、住宅ローンアドバイザー
【経歴】
金融機関で11年間、保険を中心としたファイナンシャル プランナーとして活躍中。保有資格はクレジットカードアドバイザーに加えて、年金アドバイザー、シニアライフコンサルタントなど。お金全般に関する知識が豊富で「お金を守る専門家YouTuber」として身近なお金に関するアドバイスを発信中。
団体信用生命保険とは?
団体信用生命保険という言葉はよく耳にする一方、くわしい保険の内容については知らない方も多いのではないでしょうか。
団体信用生命保険の特徴や保障範囲についてお聞きしました。
団体信用生命保険は住宅ローンに特化した保険
ー団体信用生命保険とはどのような保険なのでしょうか?
団体信用生命保険とは、住宅ローンを契約している方が死亡もしくは高度障害になった場合に、残りの住宅ローンを保険会社が支払うというものです。
生命保険との違いは?
ー生命保険と団体信用生命保険では、どのような点が異なるのでしょうか?
生命保険は保障範囲内(死亡、事故、病気など)で起きた事象に対して保険金がもらえる仕組みであるのに対し、団体信用生命保険では死亡もしくは高度障害になった場合でも保険金がもらえるわけではありません。
団体信用生命保険は、万が一の時に住宅ローンの返済を肩代わりしてくれる保険と認識しておきましょう。
団体信用生命保険の保障範囲
ー団体信用生命保険の保障範囲とは?
一般的な団体信用生命保険では、契約者が死亡もしくは高度障害になった場合に適用されます。
ー高度障害とはどのような状態を指しますか?
目が見えない、寝たきり、流動食しか食べれないなど、自分一人で生活できない状態を指します。高度障害に関しては明確な基準が定められており、団体信用生命保険だけでなく生命保険にも同じような基準が適用されています。
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保険料は月々いくら?加入する条件も解説
住宅購入の際は建築費用以外にも、火災保険などの住宅を守る保険やリフォーム費用など、月々必要になるお金のことも考えながら資金計画を立てることが大切です。
団体信用生命保険に加入する際、月々の保険料はいくらになるのでしょうか。加入する条件とともに解説します。
保険料は月々の住宅ローンの金利に含まれている
ー団体信用生命保険は0円という言葉もよく耳にします。団体信用生命保険に関する月々の保険料はかからないのですか?
いえ、保険料が0円というわけではありません。保険料は住宅ローンの金利に組み込まれているため、実際のところ月々いくらかの保険料を支払っていることになります。
ーなるほど。団体信用生命保険の保険料は、月々の住宅ローン金利に含まれて引き落とされているのですね!
そうですね。
住宅ローンを月々4万円支払っている場合、ローンとしての4万円とは別に、団体信用生命保険分として420円ほど別で引き落とされます。大きな金額ではありませんが、決して保険料が無料というわけではありません。
ー団体信用生命保険の保険料も、金利の影響を受けるのでしょうか?
はい。借りている金利が上がってしまった場合、団体信用生命保険の保険料も少し高くなります。
団体信用生命保険は金利に組み込まれているため、金利の変動とともに月々で引かれる保険料も変わると考えてよいでしょう。
団体信用生命保険加入の条件は、健康であること
ー団体信用生命保険に加入できる条件とは?
団体信用生命保険も通常の生命保険と同様、自分の健康状態を保険会社に伝える「告知義務」があります。がんや持病を抱えて治療を受けている場合、加入は難しいでしょう。
最近多い病気として、うつ病も挙げられます。病気と聞くとがんや脳卒中などの大きな病気を想像される方が多い一方、精神的な病気の場合でも加入が厳しいといわれています。