秋の和食デートの話題になるトリビア。「目黒のさんま」ってどういう意味?

デート中やグルメな仲間との食事の際に、ちょっとした話のネタを持っておくと安心なもの。そんなときに便利な「グルメトリビア」をご紹介。

今回は、秋に食べたい「さんま」についてのクイズです。

答えに続けて、東京でおすすめの和食店もご紹介します!

気になる答えはこちら!



A:③目黒名産の魚と勘違い



【解説】

なぜ海も市場もない「目黒」で、さんまなのか?それは、古典落語に由来します。

目黒へ狩りに出かけた殿様が、道中おなかが減り、たまたま農民が焼いていた庶民の魚のさんまを初めて食べ、たいそう気に入ったそう。

城に帰った後もまた食べたいと望んだところ、城内の台所係は「庶民の魚を殿が召し上がるのに骨が刺さったり、脂が体に悪いかもしれない」と蒸して油分を落とし、小骨を取って調理したさんまを出しました。

それが美味しくなかったため「どこから仕入れた?」と聞くと、当時の市場の「日本橋魚河岸でございます」と。それに対し殿は、産地でも市場でもないのに「やっぱりさんまは目黒に限る!」と、世間を知らないため勘違いをして言ったという風刺話です。

現在は、その話にちなんで「目黒のさんま祭」も開かれており、秋の風物詩になっています。



◆秋は和食が恋しい!デートにもおすすめな東京の名店5選



ここからは、秋の味覚を頂くのにぴったりな和食の名店をご紹介します。

さんま、松茸、新いくら、鮭、栗…。秋が旬の食材が美味しい時期ですね!今だけの美味を求め、足を運んでみてください。

1.秋刀魚の塩焼きが食べたいなら!表参道で長年愛される人気店『七代目 寅』



表参道駅から徒歩3分。アパレルショップが建ち並ぶエリアにひっそりと佇む名店がある。

この街では貴重な、炉端焼きを名物とする和食処『七代目 寅』だ。地下へと続く階段の奥には、焼き台を囲む広々としたカウンター席が出迎え、店内は食欲をそそるいい香りが満ちている。

この時期はまず「北海道産 新秋刀魚」をオーダーしたい。炭火で焼き上げられた秋刀魚は、皮目がパリッと香ばしく、身がふっくらとジューシー。口に運べば、家で味わうのとは比べものにならないほどの美味しさを感じられる。ぜひこの秋に味わってほしい!



2.美食とコスパが共存する、目黒らしい和食の名店『食楽 太太太』



目黒界隈には大人が落ち着いて食事を楽しめる和食店が多くあるが、日本酒好きな相手を誘うなら『食楽 太太太』が正解だ。

東口のロータリーから徒歩1分という立地の良さ。ビルの地下に降り、扉を開ければその和やかな空気感にたちまち心がほぐれる。

料理はおまかせのコースのみで、メインはしゃぶしゃぶなど数種類から選べるシステム。旬の食材をふんだんに使った前菜や酒肴の盛り合わせに序盤から心を掴まれるが、日本酒好きが思わず目を輝かせるラインナップもこの店の魅力。

心づくしの料理を味わい、酒を飲みながら語り合えば、その夜は忘れられないものになる。



3.旬を土鍋ごはんで味わえるカウンター割烹『代々木上原 ゆう』



温かく“抜け感”のある料理が楽しめる『代々木上原 ゆう』は、この街の住民に愛される名店だ。

特にカウンター席は店主・井本有祐さんとの距離感が近く、その雰囲気は朗らかそのもの。アクセントとなる朱色の壁も手伝って、どこか開放的なムードだ。

そんな空気感と関係するのが、実は井本さんは元イタリアンの料理人だということ。イタリアンのセンスも備えるから、「カニクリームコロッケ」や「ポテトサラダ」といった洋食メニューも。

コースの〆を飾る「土鍋御飯」は、椎茸のお出汁で炊いているので米自体の旨みもあり、食材を活かす。旬の美味を味わいに、足を運んでほしい。



4.カジュアルと実直を兼ね備えた、“ちょうどいい”和食『恵比寿CRAFT』



恵比寿で丁寧な和食を味わいたい夜には、『恵比寿CRAFT』をおすすめしたい。

店主の斎藤拓也さんは「同世代の友人を見ていても、会食で懐石ってなかなか行かないです。値段も敷居も高いですから。でも日本料理はいい、っていうのはみんな分かっている。だったらうちは、正統派の日本料理を守りながらも、かしこまらない“おまかせコース”を目指したいと思いました」と語る。

料理は旬を活かしたおまかせコースのみ。この日の「八寸」は、旬の食材を活かし、秋鯖の棒寿司、栗の渋皮煮、鮭の南蛮揚げ、さつまいものチーズ寄せなどが並ぶ。コースの〆を飾る「土鍋炊き込みご飯」もお楽しみのひとつ。

相手に気を遣わせることなく、ゆるりと寛いだ時間を過ごせる和食店は、覚えておきたい一軒だ。



5.知る人ぞ知る日本料理の名店として、表参道で食通に支持される『湖月』



知る人ぞ知る日本料理の名店として、表参道で57年続く『湖月』。素材の個性を生かす硬派な料理は、名だたる昭和の文化人にも愛されたという。「Ao〈アオ〉ビル」からすぐの小径に粛然と佇む。

先代亡き後、28歳の頃から料理長を務める佐藤重行さん。東京『吉兆』で6年間修業した後、中東に渡り伝統的な日本料理の魅力を伝え続けたという経歴を持つ。

「鱧と松茸のお椀」は旨みの濃い羅臼昆布と本枯節でとる出汁を、香りがとばぬよう客が来店する直前にひくこだわりよう。

こういった丁寧な姿勢こそ、食通たちから長年愛される所以なのだ。



このグルメトリビアの記事は、隔週の水曜日に公開します。お楽しみに!

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