2024年8月1日、大阪・堂島に「フォーシーズンズホテル大阪」が誕生した。大阪のにぎやかなミックスカルチャーな顔と、水の都の優雅な顔、双方を味わえる立地に立つホテルは、今までのブランドイメージとはひと味違うユニークなスタイルが話題に。総支配人のインタビューを交えながら、その魅力を探った。
世界から“食の楽しみ”が集結
そして、「フォーシーズンズホテル大阪」の楽しみは、世界旅行をしているかのようなグローバルなレストランの数々だ。
メインダイニングの「江南春(ジャンナンチュン)」、庭園の中にいる気分を味わえるオールデイダイニング「ジャルダン」や、焼きたてのパンやペイストリーを楽しめるベーカリー「ファリーヌ」、日本茶ティーラウンジ〈CHA〉 、眺望抜群の「バー・ボタ」、新感覚の鮨(すし)レストラン「L’ABYSSE(ラビス)」など全部で5か所のレストラン、バーが入る。
「江南春」のダイニングルーム
「江南春」の料理の一例
中でも覚えておきたいのは「江南春」。実はこちらのシェフは、香港の「夏宮」を率いてきたレイモンド・ウォン氏。点心師ほか、自身のチームを引き連れてここ大阪にやってきたのだ。
そんなウォン氏が作るのは、正統派の広東料理。定番の「黄金色に輝く蟹の甲羅詰め」 やフカヒレスープの上湯の味、包丁技で繊細にカットし、シロップに浮かべた「鏡花水月 豆腐花のデザート」などは、香港の味そのもの。一方、伊勢エビを使ったモダンなスタイルなど、日本で挑戦する新しい味も楽しめる。
きらびやかな内装や眼下に広がる夜景もあいまって、非日常の旅気分に没入することができる。まさにここは飛行機に乗らずに行ける香港、と表現したくなる場所なのだ。
夜景が美しい「バー・ボタ」
「江南春」で食事をしたら、「バー・ボタ」で一杯飲んでから客室に戻るのもいい。
意外かもしれないが、実は大阪には、市街地の夜景を楽しみながらお酒が飲めるホテルバーは少ない。ここは大阪のきらびやかな夜景をつまみに、オリジナルのカクテルや豊富に揃うスピリッツを飲むことができる。
もう一つ、ビッグニュースは10月末にオープンする鮨(すし)レストラン。なんと、パリの三ツ星レストラン「ルドワイヤン」内にオープンして話題になった江戸前鮨「L’ABYSSE」がやってくるのだ。エネルギッシュな大阪と、パリから逆輸入の寿司屋の化学反応はきっと楽しく心浮き立つものになるに違いない。
ホテルのデザインも、食も、ある意味、今までの日本にあるフォーシーズンズホテルとはひと味違うユニークさが際立つ「フォーシーズンズホテル大阪」。宿泊はもちろん、食事やバー使いだけでもその魅力を感じることができるはずだ。
text: Misa Yamaji
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