「FPに聞きたいお金のこと」、今回のご相談は60歳で定年退職予定の方からです。定年退職した場合でも失業保険は受給できるのかという内容です。定年退職予定の方にとって、失業保険がもらえるかどうかは不安なことの一つだと思います。65歳で退職する場合も含めて解説します。

60代会社員男性の相談内容

現在60歳です。長年勤めていた会社を来年、定年退職予定です。これからのことも不安ですし体も元気なため、まだまだ働きたいと思っています。定年退職した場合でも失業保険などはもらえるのでしょうか?また、他に何か利用できる手当などがあれば教えていただきたいです。

(広告の後にも続きます)

60歳で定年退職後の失業保険はもらえる?受給の条件


チェック項目
【画像出典元】「stock.adobe.com/Digital Artistry Den」

60歳で定年退職を迎え、これからの人生をどう過ごしていくか不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。特にまだまだ働きたいという意欲がある中で、定年退職後の生活設計は大きな課題です。
結論から言うと、定年退職後も失業保険(雇用保険の基本手当)を受給できる可能性は十分にあります。ただし、いくつかの条件を満たす必要があります。

・再就職希望であること
単に仕事を辞めるのではなく、積極的に再就職活動を行っていることが求められます
・雇用保険に入っていた期間
退職日以前の2年間に12カ月以上、雇用保険に加入していたことが必要です
・年齢条件を満たしている
失業保険を受給できるのは65歳未満です

これらの条件を満たせば、60歳以降も失業保険を受給することができます。

失業保険で受け取れる金額は離職前の賃金をベースに決定

1日あたりの失業保険の金額は「基本手当日額」と呼ばれ、賃金日額に給付率を掛けます。賃金日額は、賞与などを除いた退職前の最後6カ月間の賃金総額を180日で割った数字です。そこに50~80%(60~64歳については45~80%)の給付率を掛けて日額が決まります。

失業保険を受給できる期間は離職理由と勤続年数で異なる

雇用保険に入っていた期間が10年未満の場合では最長90日、20年以上の雇用保険の加入期間があれば最長150日となっています。なお定年退職した人が失業保険を受給できるのは、7日間の待機期間が終了した後になります。

失業保険と年金の同時受給は要注意

定年退職をした人は原則として失業保険と特別支給の老齢厚生年金を同時に受給することはできません。どちらを受給する方が金額が多くなるかを比較することをオススメします。