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炭水化物や植物性食品を排除し、肉を主体とした動物性食品しか取らない「肉食療法」の人気が高まっている。効果をうたうインフルエンサーたちの影響もあり、若い女性たちの間にも広まっているが、専門家は決して勧められないとしている。
◆人は肉だけで生きられる? 植物性食品を排除
肉食療法とはその名の通り、植物性食品を一切食べない食事法だ。肉、魚、卵、そしてバターや生クリームのような動物由来の食品だけを食べ、野菜、果物、穀類、豆類、植物性油脂などはすべて排除する。
根底にあるのは、人間は動物性食品だけの食事で育つようにできているという信念だ。肉食療法の信奉者たちは、植物には腸などで栄養が吸収されるのを妨げる反栄養素が含まれており、これが炎症や消化不良などの健康問題を引き起こすと主張している。(ウェルネス関連誌ポップシュガー)
肉食療法を実践する人々は、エネルギーレベルの向上、皮膚疾患の改善、体重減少、筋肉量増加をメリットとして挙げる。
◆思う存分食べられる! 痩せたい若い女性が注目
ソーシャルメディア上には、肉食療法に関する投稿があふれており、ステーキ、卵、チーズやバターなどを盛った肉食ボードが流行しているという。ガーディアン紙によれば、インフルエンサーが紹介する、バターやビーフプロテインなどを加えた「ビーフラテ」や、犬にも与えられて安心とうたう、味付けなしのビーフのおやつなども注目されている。
肉食療法は、もともとは男性に人気だった。しかし最近は、女性に影響力のあるインフルエンサーたちが、減量、透明感のある肌、健康的な髪のためにこの食事法を推奨しており、若い女性たちにも広がっているという。インフルエンサーの1人、イザベラ・マは、肉食療法がホルモンを癒やし、生理周期を整えるのに役立つと主張している。また、カロリー計算なしで好きなものを存分に食べられ、最終的に体を思い通りに動かせるエネルギーを得られると主張している。(ヤフー・ライフ)
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◆長期的にはリスク… 専門家の見解は?
ヤフー・ライフは、多くの食品を排除することが、初期の体重減少の一因かもしれないと述べる。しかしほとんどの専門家は、たとえ短期的な効果はあったとしても、長期的にはリスクがそれを大きく上回るとしている。
最も明らかなリスクの一つは、栄養バランスの欠如だ。肉食には抗酸化物質や植物性栄養素など、健康に不可欠な多くの必須栄養素が不足している。
さらに、肉食を続けると心血管系疾患のリスク上昇につながり、心臓発作や脳卒中のリスクも高まる。また、脂肪分が多いことから、胆石を引き起こすこともあるという。腸の健康にも悪く、善玉菌をサポートする多様な食品の欠如により、腸内細菌のバランスが崩れ、さまざまな問題が引き起こされる。食物繊維や植物に含まれる化学成分の不足による大腸がん、赤肉や加工肉の摂取過多による結腸がんのリスクも高まるという。(ポップシュガー)
ボストン大学栄養学教授のジョアン・サルゲ・ブレイク氏は、多くのソーシャルメディアのコンテンツ制作者が、科学的根拠に基づかない信頼性に欠ける情報を投稿していると指摘。フォロワー数に基づいて「インフルエンサー」と呼ばれるのはばかげているとし、栄養面での指導をソーシャルメディアに頼らないようにとアドバイスしている。(ヤフー・ライフ)