ライフプラン別の理想の貯金目標額は?6パターンで試算

貯蓄可能額は収入や生活環境によって異なりますが、一般的に手取りの「2割前後」を目標とするのが良いとされています。その前提を踏まえながら、30代男性の今後のライフプラン別に目標としたい年間の貯蓄額を考えてみましょう。

前提条件:35歳男性、給与25万円/月、ボーナス75万円/年(いずれも手取り額)

〈年間の貯蓄目標〉

筆者作成

ケース1)独身/賃貸プラン

独身で賃貸の場合は、まずは手取りの15%を貯蓄目標にしてみましょう。給与のうち約3万8000円、ボーナスのうち約11万3000円を貯める計算です。1年間で貯まる金額は約57万円ということになります。

ケース2)独身/マイホーム購入プラン

マイホームは通常、住宅ローンを利用して購入します。住宅ローンは諸費用や引っ越し代も借りることができます。しかし、借りる額が増えるとそれだけ審査が厳しくなり、返済負担も増えることになるため、余裕のある資金計画を立てたいものです。

例えばケース1賃貸の場合より貯蓄率を増やし、手取りの20%を貯めるとどうなるでしょうか。給与から月5万円、ボーナスから年15万円の貯蓄ですので1年後には75万円貯まります。3年後には225万円、5年後には375万円です。これまでの貯蓄と合わせて頭金を検討できそうです。

今は独身でも将来結婚することを考えている人もいるでしょう。その場合はケース3以降を参考にしてください。

ケース3)既婚(子どもなし)/賃貸プラン

妻のワークプランの影響を受けますが、共働き家庭が増えていることから、ここでは妻も働いている前提で考えます。子どもがいないダブルインカム家庭、いわゆるディンクス(DINKs)は資金的な余裕があるため自然と生活費が広がる傾向にあります。老後の年金もそれぞれがしっかり受け取れるためお金の不安も少ないのが特徴です。

そうは言っても、長く働き続けられる保障はありません。できれば貯蓄は前倒しにしておきたいものです。まずは、夫婦それぞれが収入の20%ずつ貯めるのを目標にしてみましょう。給与から5万円、ボーナスから15万円の合計75万円貯めると、夫婦で年間150万円貯められます。

ケース4)既婚(子どもなし)/マイホーム購入プラン

マイホームは、独身に比べると広いスペースが求められ価格もそれに比例します。例えば夫婦それぞれの貯蓄額を手取りの25%として、マイホームの頭金も準備していくといくら貯まるでしょうか。給与から約6万3000円、ボーナスから約18万8000円で1年後には約94万円貯蓄ができます。妻も同じだけ貯められるなら、夫婦合計で3年後に約560万円、5年後に約940万円の貯蓄ができるという訳です。

ケース5)既婚(子どもあり)/賃貸プラン

子どもがいる場合は、教育費の準備がポイントです。
高校までは給与でやり繰りをするのが通常ですので、大学費用を貯めることを意識しましょう。大学は、公立を希望する場合でも念のため私立を前提に準備しておくと安心です。

例えば、子どもが18歳になるまでに400万円を貯めるとしましょう。その際に押さえておきたいのは児童手当です。子どもが生まれてから高校卒業まで支給される手当の合計は約250万円です。現在の子どもの年齢にもよりますが、児童手当を全て貯められるなら、残り150万円を給与等から準備すれば良いということになります。ケース3の貯蓄に加えて毎月7000円を貯めれば目標達成です。

ケース6)既婚(子どもあり)/マイホーム購入プラン

子どもがいてマイホームの購入も考えているという場合は、ここまで見てきた中で一番貯蓄を頑張らなければなりません。ケース4にある手取りの25%を貯めることに加え、教育費として毎月7000円貯めるというイメージです。

子ありの場合は、夫婦の育休や妻が復帰した後の時短勤務による収入減が想定されますが、その辺りの細かい点は加味していません。また、上記は子ども1人を想定したものです。

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資産運用に回す資金の適性な割合は?


円グラフ
【画像出典元】「stock.adobe.com/Slowlifetrader」

これまで見てきた貯蓄額は、預貯金の利子や投資で貯めた場合の利益は考慮されていません。利益が非課税となるNISA制度を活用し一部を資産運用することも考えたいものです。ただし、投資にはリスクがあります。当面の資金として半年~1年分の生活費は預貯金にするなどし、残りの資金のうち10年以上使わない余裕資金で投資を考えます。特に投資初心者は、余裕資金の半分程度を上限とするのも良いでしょう。