私には大学生の娘と高校生の息子がいます。息子は中学生のころ、激しい反抗期を経験しましたが、娘は反抗期らしい反抗期がなく、手がかからない子でした。しかし、大学進学を機に1人暮らしを始めた娘に、思いも寄らない変化が訪れました。

優等生の娘が突然の学業崩壊

娘は小さいころから優等生で、生徒会に所属し、成績も上位。大学進学時も特に心配せず、1人暮らしを許可しました。学費も自ら奨学金を借りる手続きをし、仕送りも断られるほど自立心の強い子でした。

ところが、1年生の終わりに送られてきた成績表を見てがくぜんとしました。1年間で取得した単位はわずか8単位。これまでの娘からは想像もできない成績に、私は動揺しました。

話を聞いてみると、娘は「学校に行く気力がない」と打ち明けました。さらに「家にいる間は常に気を張っていて休まらなかった。今の生活は誰にも邪魔されないけど、同時にベッドから動けない」と告白したのです。

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親の「褒め言葉」が娘を追い詰めた?

このとき、私は娘のSOSにようやく気付きました。手がかからないと思っていた娘が、実は言いたいことを言えずにいたことを知り、胸が痛みました。小さいころから「弟と比べて手がかからなくて助かる」と言っていたことが、娘にとっては「こうでいなければならない」という重荷になっていたのです。

この気付きをきっかけに、娘との関係を一から築き直すことを決意しました。まず、カウンセリングを受けさせ、学校は休学し、バイトも一時休んで十分に休養を取らせることにしました。