ヒューケラの栽培環境


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日当たり・置き場所

【日当たり/屋外】ヒューケラが機嫌よく育つ環境は、日向〜半日陰の場所です。夏場に強い直射日光にさらされると、葉焼けして美観が損なわれる原因になるので注意しましょう。特に、斑入り種や淡色系の品種は葉焼けを起こしやすい傾向にあるようです。そのため、鉢植えで栽培する場合は、夏場は涼しい半日陰に移動するほうが無難。庭植えの場合は、午前中のみ光が差す東側か、落葉樹の足元など、緑陰でチラチラと光が差すような場所が向いています。ただし、耐陰性があるとはいうものの、暗すぎる場所では生育が悪くなり、花も咲かなくなるのでご注意を。

【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。

【置き場所】水はけのよい土壌を好みますが、常にじめじめした環境では生育が悪くなります。庭植えにする場合は土壌改良資材を投入し、盛り土をするなど水はけのよい環境に改善するように努めましょう。

耐寒性・耐暑性

寒さに強い性質のため、特別な防寒対策などは不要ですが、心配であれば冬はバークチップやワラ、腐葉土などでマルチングをしておくとよいでしょう。品種改良により耐暑性のある品種も増えてきていますが、品種により暑さを苦手とするものもあります。鉢植えの場合、夏は直射日光の当たらない場所へ移動させましょう。

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ヒューケラの育て方のポイント


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ヒューケラは多年草に分類される、ライフサイクルの長い植物です。そのため、何年も長くつきあっていくつもりで庭に取り入れましょう。ここでは、ヒューケラを育て始める際に知っておきたい、適切な栽培環境について解説します。

用土

【地植え】

落葉樹の足元など半日陰の環境を選びましょう。水はけをよくするため、植える場所に腐葉土をすき込んでおきます。

【鉢植え】

赤玉土(小粒4)、鹿沼土3、腐葉土3の割合でブレンドし、水はけと水もちのバランスのとれた土を利用するとよいでしょう。あらかじめ草花の栽培用に配合された培養土を利用してもOK。初心者なら市販の培養土を使うほうが手軽です。

水やり


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【地植え】

根張りがよくなり茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。成長して大きな株になると比較的乾燥に耐え、湿気の多い環境はかえって苦手。根付いた後は、乾燥が続いて株が水を欲しがっているサインを出していたら、たっぷりと水やりをしましょう。

【鉢植え】

日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は気温が上がっている昼間に水やりすると、水がすぐにぬるま湯になって株が弱ってしまうので、朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。

肥料


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ビギナーの場合、緩効性化成肥料を常備しておくのがおすすめです。植物への汎用性が高く、ニオイがしないため扱いやすいのがメリット。開花期に与える液肥は、開花促進を目的とした配合の製品を選ぶのがおすすめです。

鉢栽培、コンテナ、プランター栽培ともに、3〜4月と10〜11月に、追肥として緩効性化成肥料を株の周囲にまいて株の勢いを保ちます。コンテナやプランターなど大きめの容器で栽培している場合は、花茎が上がってきた頃から開花が終わるまで、10日に1度を目安に液肥を与えるとよいでしょう。夏の高温期に肥料成分が残ると株が弱ることがあるので、夏は肥料を切らして管理するのがポイントです。

注意する病害虫

【病気】

うどんこ病が発生することがあります。うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になり、放任するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用のある殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。

【害虫】

カイガラムシが発生することがあります。カイガラムシの体長は2〜10mmほど。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと株を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。