女性のエンパワーメントを支援する社会活動家が集うイベント、ニューヨークで開催。クレ・ド・ポー ボーテの「パワー・オブ・ラディアンス・アワード」Vol.1

クレ・ド・ポー ボーテによって2019年に創設された「パワー・オブ・ラディアンス・アワード」。特にSTEM/STEAM領域における女性の教育に貢献した女性を毎年表彰し、寄付金を通して女性のエンパワーメントを後押ししている。このシリーズではジェンダー平等を推し進めるこの賞について、3回にわたって紹介。Vol.1では2024年10月2日にニューヨークで行われたイベントをレポートする。

クレ・ド・ポー ボーテは米国版「マリ・クレール」と共催し、国際ガールズデーを記念したイベントを開催。マリ・クレールのニッキ・オグナイケ編集長は、「クレ・ド・ポー ボーテは40年以上の肌細胞研究から導かれた世界最先端のサイエンスを強みとするブランドであり、STEM(科学、技術、工学、数学)教育の分野でキャリアパスを形成していく次世代の女性たちに力を与えて続けているだけに、本日のイベントはこの上なく光栄で喜びでもあります」とオープニングのスピーチで語った。


〈左〉レシュマ・サウジャニさんと〈右〉マリ・クレール編集長のニッキ・オグナイケさん

イベントでは、「パワー・オブ・ラディアンス・アワード2024」の受賞者で、NPO団体「Girls Who Code」と「Moms First」の創設者であるレシュマ・サウジャニさんとともに、2025年の受賞者に決まった数学者でジャズピアニストの中島さち子さんも参加。次世代の女性たちに力を与えるために何ができるか、意見を交わすパネルディスカッションが行われた。 サウジャニさんは「少女や女性たちをエンパワーすることは、社会全体をより良くしていくことであり、その波及効果は明らかです。しかし、このようなことは単独ではできません。お互いに投資をし、メンターを務め、スポンサーとなり、みんなが成功できる場を作る必要があるのです」と強調した。

テクノロジー分野におけるジェンダー平等に取り組む国際的なNPO団体「Girls Who Code」の設立を通じて、コンピューター・サイエンスにおける女性の地位向上に努めてきたサウジャニさん。2012年の設立以来、世界最大規模で女性や、自身の性自認に男性か女性かという枠組みを当てはめないノンバイナリーの科学者たちの育成プログラムを構築。67万人以上の学生を支援してきた。その結果、「Girls Who Code」卒業者に占めるコンピューター・サイエンス関連の学位取得者の割合は、米国平均の約7倍になったという。最近では、非営利団体「Moms First(マムズ・ファースト)」で、アメリカの母親たちの環境改善にも取り組んでいる。


中島さち子さん

2025年の受賞者となり、サウジャニさんからバトンを渡された数学者でジャズピアニストの中島さち子さんは、STEMにARTS(芸術)を加えたSTEAM分野での支援を通じてエンパワーメントに力を尽くしている。

中島さんは「『パワー・オブ・ラディアンス・アワード』を受賞できて光栄です。クレ・ド・ポー ボーテは、世界中で女性のSTEAM教育の重要性を訴え、ジェンダーギャップの解消に取り組んできました。STEAM分野における教育やキャリアの形成はまだまだ男性が多い傾向にありますが、創造性や革新性に性別は関係ありません。この分野での男女平等は社会にとって有益であり、不可欠だと信じています」とコメントした。


クレ・ド・ポー ボーテのチーフ・ブランド・オフィサー 橋本美月

最後にクレ・ド・ポー ボーテのチーフ・ブランド・オフィサー 橋本美月は「次世代を担う少女たちをエンパワーするという使命のもと、志を同じくする女性たちが一堂に会し、このイベントを実施できたことを大変うれしく思います。『パワー・オブ・ラディアンス・アワード』は教育を通じて、世界中のポジティブな変化をリードする女性たちのグローバルなコミュニティーを育成することで、さらなる輝きの輪を広げていくことを目指します」と今後への思いを語った。

2025年の受賞者として中島さち子さんは、サウジャニさんをはじめ、これまでの受賞者の努力と成果を引き継いでいく。

text: Izumi Miyachi