2024年8月に新型コロナウイルスのmRNAワクチン(レプリコンワクチン)への安全性を懸念する緊急声明を発表していた日本看護倫理学会が、10月11日までに公式Xの投稿を全削除したとして話題となっている。
J-CASTニュースは取材を申し込んだが、「コメントは控えさせていただきたく存じます」との回答だった。
Meiji Seika ファルマ「事実誤認および科学的知見に基づかない問題提起」
日本看護倫理学会は、公式サイトによると「看護倫理の知を体系的に構築することを目的」として2008年に設立された。学会誌の発行や研修会の開催、研究費の助成などのほか、「医療・看護を受ける高齢者の尊厳を守るガイドライン」といったガイドラインの作成も行っている。理事長は、東京有明医療大学看護学研究科長・教授の前田樹海氏(看護情報・管理学)だ。
日本看護倫理学会は8月8日、「新型コロナウイルス感染症予防接種に導入されるレプリコンワクチンへの懸念 自分と周りの人々のために」と題した緊急声明を発表。人間の遺伝情報や遺伝機構に影響を及ぼすのではないかとの懸念や、接種者から非接種者に「シェディング」(感染)するのではないかとの懸念などを指摘した。
レプリコンワクチンは、明治ホールディングス傘下の製薬会社「Meiji Seika ファルマ」(東京都中央区)が厚労省の承認を受け、製造・販売する。同社は10月9日、日本看護倫理学会の緊急声明に対する声明を発表。「事実誤認および科学的知見に基づかない問題提起によって、一般市民の不安を煽ることは、医療に関わる社会的責任を持つ組織としてあってはならないことだと考えております」と批判し、指摘された懸念に反論した。
さらにMeiji Seika ファルマは、レプリコンワクチンへの科学的知見に基づかない批判を繰り返す団体に対し、法的装置を講じる方針であることも報じられている。
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「内部で慎重に対応を検討している段階」
日本看護倫理学会の公式Xは11日現在、投稿数ゼロの状態となっている。Xでは、Meiji Seika ファルマの声明や法的装置の検討が原因ではないかとする指摘もある。
J-CASTニュースが11日、日本看護倫理学会に公式XについてやMeiji Seika ファルマの法的措置検討への対応について取材を申し込んだところ、事務局から
「現在、当該案件につきましては、内部で慎重に対応を検討している段階でございます。そのため、現時点での具体的なコメントは控えさせていただきたく存じます」
との回答があった。