疲れない土地探しのコツは?不動産のプロが徹底解説!

土地探しの要望をまとめるコツは?

土地探しはエリア・サイズ・予算感を合わせることが大切だとわかりました。3つのバランスを合わせるには、土地探しの要望をうまくまとめることが必要です。

土地探しの要望をまとめるコツは何かあるのでしょうか。

 

NGの見える化をする

ー土地探しの要望はどうまとめればよいのでしょうか?

私がおすすめしているのはNGの見える化です。

昔からいわれる「希望の条件を10~20個ほど紙に書いてチェックする」という手法もよいとは思いますが、全ての要望を満たした場合でも「もっと安ければ」「もう少し待てば」もっとよい土地があるかもしれないと考えがち。

不動産は相対評価であるため他の土地と比べてしまい、要望を満たしていてもどこか納得できないというケースが多いのです。

 

ーNGの見える化とは?

住めないエリアや出せない金額を把握することです。神奈川に住んでいる私が「沖縄にとてもよい土地がありますよ」といわれても、さすがに購入できません。当たり前なのですが、意外にもこの「当たり前」の基準がはっきりしていない方は多いと感じます。

どこからなら生活できるか?と考えると、県内全域あるいは隣の県でも問題ないかもしれません。関東地方なら?→隣の県なら?→神奈川県内なら全域?と徐々に範囲を狭めていくことで、自ずと建てられるエリアが見えてくるのです。

 

ー広い視野で探すことが大切なのですね!

はい。最初から希望の土地を見つけるために細かく要望を出すのではなく、可能性を否定せずに広い範囲で土地と出会ってみるのがよいでしょう。

 

角地、駐車場は2台…本当に必要な条件?

ーそのほか土地の要望をまとめる際に注意すべき点はありますか?

細かな要望が自分の中で絶対的なものとならないように注意しましょう。一例として、角地のほうがよいという思い込みで角地に限定して土地を探すケースが挙げられます。

 

ー角地は理想ですよね?

それはそうかもしれません。もちろん、角地の場合は建蔽率が10%増えることもありますし、一方向しか道路に接していない土地よりも開放感があって人気です。

しかし、なぜ土地を欲しいのか?もう一度立ち戻って考え、角地に執着しないことも大切。

建蔽率が10%増えるのは魅力的ですが、それより大きな家が建てられる土地と比較すれば優位性は失われますし、開放感だって建物のプランニングで演出できるものです。よい土地を購入することが目的ではなく、希望の家を建てることが土地購入の目的だと忘れないようにしましょう。

 

ー知らないうちに目的が変わってしまうのですね…

そうですね。また、車は1台しか所有していないけれど駐車スペースは2台ほしいというケースもあります。「車が1台置けるか2台置けるか」の2択であれば2台置けるほうを選ぶ一方、「2台車が置ける郊外の土地か、1台車を置ける利便性のよい土地」といわれると視点が変わりますよね。

土地の購入は1度きりであるため、どうしても時間をかけてしまい「土地購入」自体が目的になってしまうケースは多々あります。可能性を否定せず、たくさん比較することで見えてくるものは多いと思うのです。

 

災害に強い土地か、便利な土地かどちらを優先するか考える

ー最近は災害に強い土地を希望する方も多い印象です。災害リスクという観点からはどのように土地探しをするとよいでしょうか?

ハザードマップを見ながら安全な土地を探すとよいでしょう。注意点は、日本はほぼ山ばかりの山岳地帯であるため、人気のエリアがハザードの対象外というケースはあまり見られないことです。

川が流れているから平野部があり、平らで水があるところに人は住みつきました。人が住んでいるから設備が整い、人気のエリアになっていきます。

住みやすいエリアとハザードから外れたエリアというのは相反するものになりがち。ハザードを気にして郊外のエリアに住むか、災害に備えながら便利なエリアに住むかというのは割り切って考えるほうがよいと思います。

 

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究極!土地を選ぶポイント3点

ある程度土地の希望が定まると、次はどの土地にするかを選んでいきます。土地選びのポイントをお聞きしました。

 

土地を選ぶポイントは3つ

ー土地選びのポイントを教えてください

①住めそうと思えたか、②希望通りの家を建てられるか、③支払い可能かどうかの3点を軸として考え、そのほかの要素はおまけと考えましょう。

 

ーシンプルですね!

そうですね。一生懸命土地探しをしている方は、どうしても電車の沿線や通勤時間など、細かな部分にチェックポイントを設けがち。新しい土地に引っ越すことで通勤時間が早くなるのもよいのですが、駅は遠くなるけれど近くに子どもと遊べる大きな公園があるのなら、選択肢に入れてよいと思います。利便性や効率を追求するだけでなく、少し回り道をしても人生は豊かになるのではないでしょうか。

 

家づくりは本来楽しいもの!土地探しも楽しもう

「家づくりは本来楽しいもの」と語る渡辺さん。土地探しも含めた家づくりの楽しさをお聞きしました。

 

土地のお悩みを抱えている方は多い

ー土地選びのコンサルティングを始められたきっかけは何ですか?

土地探しをするお客さまの悩みに寄り添いながら土地を紹介したいと考えたためです。不動産業者はたくさんある一方、専門的に土地選びのコンサルティングをする方はあまりいないと思います。コンサルティングをしながらも半分は賃貸・建売事業を行っていたり、土地を売りたいという方を集めていたりと、土地選びのコンサルティングを専業でされている方は本当に少ないのです。

お客さまは不動産会社が売りたい土地に興味があるわけではなく、自分たちに合う土地を知りたいと思っています。お客さまの気持ちに寄り添いながら、土地選びのコンサルティングをしています。

 

ー土地探しについて悩む方は多い一方、コンサルティング業をされる方は少ないのですね

そうですね。最近では、培ってきたノウハウを伝えるためにYouTubeチャンネルを始めました。土地探しのコツについて発信することでお客さまの悩みを解消するだけでなく、土地選びのコンサルティングという職業自体も広まるといいなと思います。

 

多くの専門家がかかわりながらひとつの家が出来上がる

ー渡辺さんの思う家づくりの楽しさとは?

たくさんの人と関わり合いながら、まっさらな土地に一つの家が完成していくところです!

私は家づくりが好きすぎて「すべて自分で」家を造ろうとしたことがあります。いわゆるセルフビルドで現在も進行中です。仕事に置き換えると、土地探しから建物のプランニング、建築確認、施工からメンテナンスまで、すべてワンストップでつくれるかの実験です。

必要な資格を取得したりもしましたが、結果「すべて自分で」は不可能でした。要所要所が専門的すぎるため、どこかでプロの助けを借りないと先に進めなかったんです。

完全セルフにチャレンジしたことで、多くの専門家が介在しながら「ひとつの家が出来上がる楽しさ」を再確認できました。

 

ーみんなで協力しながら一つの作品をつくるような感覚なのですね!

そうですね。家づくりってお客さまがプロデューサーのチーム運営なんです。

家づくりの楽しさを一言で表現するのは難しいですが、そのチームに参加できるだけでも、とても楽しいんですよ。今まで400軒以上のお客さまの家づくりに参加してきましたが、毎回毎回「幸せ」や「楽しさ」のお裾分けをいただいており、本当に幸せな仕事だと感謝しています。コンサルティング業務やYouTubeの配信などを通して、もっと家づくりの楽しさを発信していきたいと思います。

 

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まとめ

いかがでしたか?土地探しは焦らずに視野を広く持って行うことが大切だとわかりましたね。本来家づくりは楽しみながら行うもの。肩の力を抜きながら楽しく土地探しをしていきましょう!