“黎明期”の宇宙ビジネス、今後も成長続く見込み
宇宙ビジネスは、インターネットが普及し始めた1990年代半ばのIT産業のような黎明期にあるといわれています。宇宙ビジネスは、国家主導の時代から、技術革新と起業家精神に支えられた民間主導の新時代へと移行し拡大しており、中長期にわたって成長することが期待されます。
※積載量1kgあたりの打ち上げコストの過去の()内は、スペースシャトルの初打ち上げ年、現在はファルコン・ヘビーの初打ち上げ年を示す。
※スタートアップ企業数の現在は、参考情報として使用した資料の発行年を示す。
※衛星開発コストの過去は、政府の大型衛星、現在は地球低軌道の商業衛星、未来は地球低軌道の商業衛星の費用を示す。また、過去と現在は、参考情報として使用した資料の発行年を示す。
※上記は、宇宙の過去・現在・未来の傾向について理解を深めていただくためのもので、すべてを網羅するものではありません。
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今後の見通し
2024年7月に欧州宇宙機関(ESA)が新型主力ロケット「アリアン6」の初打ち上げに成功しました。各国の打ち上げ競争において、欧州の打ち上げ能力が向上することで、さらなる宇宙ビジネスの拡大が期待されます。
また、11月の米大統領選は不透明感を強めているものの、ドナルド・トランプとカマラ・ハリス両候補ともに、政策は異なりますが、トランプ、ハリス両氏は米国の防衛・宇宙の強化について意欲的であることから、宇宙関連企業にとってポジティブであると考えています。
Space Foundation(宇宙財団)によると、2023年の世界の宇宙ビジネスの市場規模は前年比+7.4%の5,700億米ドル(約83兆円※)となり、成長しています。
※1米ドル=144.8円(2024年8月末時点)で円換算
世界の宇宙ビジネスの市場は、民間企業による参入により、ビジネスの裾野が広がっていくことが期待され、宇宙分野の商業化の拡大によって将来にわたり成長すると予想しています。
※2030年以降は、Morgan Stanleyによる予測値。2040年までに世界のインターネット普及率が100%になるものとして算出した数値です。
※世界の宇宙ビジネスは、人工衛星の製造・運用に加え、地球の観測事業、テレビ・ラジオ・携帯通信・高速通信サービスなどの人工衛星を利用したサービスが含まれます。なお2030年以降は、超音速飛行ビジネスの市場規模(売上高)を含みます。
東京海上アセットマネジメント
※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『「宇宙新時代」人工衛星が10年で7.7倍に…期待高まる“宇宙ビジネス”市場、予想される今後の展開』を参照)。