観る人、聴く人にやさしく寄り添う、akikoさんの歌声。

映画監督の甲斐さやかが20年以上かけて構想した、映画『徒花-ADABANA-』が10月18日(金)に公開となる。井浦新、水原希子、三浦透子、斉藤由貴、永瀬正敏らが共演する注目作だ。

近未来を舞台に、ある一定の上流階級だけに、病にかかった際に自分の命の身代わりとして保有が許された、“自分そっくりのクローン”。その存在とはじめて対峙したときに、人は何を想い、考えるのか。自分とは、命とは、生きるとは。いま、ここで息をしている“生命としての在り方”について深く、考えさせられる作品である。

アルバム『満たされた空虚』は、本サイトの人気連載「土曜の朝と日曜の夜の音楽」でも素敵な選曲と寄稿文を披露してくださったジャズシンガーのakikoさんが、音楽監督を務めた作品。『徒花-ADABANA-』のストーリーや映像美にインスパイアされプロデュースした楽曲が並んでいる。劇中にも使用されている「亡き王女のためのパヴァーヌ」にオリジナルの英語詩を乗せた楽曲、1970年代屈指の名曲「Both Sides Now」、ジャズ・スタンダードとして人気の高い「Yesterdays」などが収録されている。

参加ミュージシャンには、ノルウェーの奇才ブッゲ・ヴェッセルトフト、13年間ベルリンを拠点に活動し、現在も国内外で活躍するヴィブラフォン/マリンバ奏者のMasayoshi Fujita、自身の活動はもちろん KIRINJI、米津玄師、KING GNU などさまざまなバンドのサポートで活躍するオルガニスト宮川純、同じく自身の活動に加えて渡辺貞夫、小野リサ、椎名林檎などのサポートおよび映画や舞台の音楽も手がけるピアニスト/作曲家、林正樹が名を連ねる。

さらに『徒花-ADABANA-』のキャストである水原希子、三浦透子、甲田益也子がポエトリーリーティングで参加。甲斐さやか監督と共同で作り上げた詩の朗読は、映画の世界観を美しく反映している。ジャケットやブックレットの写真は、映画キャストの永瀬正敏によるもの。

ぜひ、劇場や音源で作品の奥深さに触れ、語りかけているメッセージと向き合ってみてほしい。

akikoジャズ・シンガー

2001年、名門ジャズレーベル「ヴァーヴ」初の日本人女性シンガーとしてユニバーサルミュージックよりデビュー。既存のジャズの枠に捕われない幅広い音楽活動で人気を博し、現在までに23枚のアルバムを発表。パリ、ロンドン、ニューヨーク、リオデジャネイロ、オスロ、ニューオリンズなど海外でのレコーディングも多く、またヨーロッパでのツアーやジャズフェスティバルなど、国内外で活躍。一方、アパレル・ブランドとのコラボレーションで帽子やワンピースなどのアイテムを展開するなどファション方面でも活躍。また、定期的に声を使ったボイス・ワークショップや、子供のためのジャズワークショップを開催している。更に英国アーユルヴェーダカレッジ日本付属校認定アーユルヴェーダライフスタイリスト、日本ナチュラルヒーリングセンター認定アーユルヴェーダ・ホームケアドクター及びライフコンサルタントの資格を取得し、2013年からはアーユルヴェーダのワークショップやリトリートツアーなども開催している。デビュー15周年となる2016年には5枚組50曲入りのベストアルバム『Elemental Harmony』をリリース。2018年にはジャズ・スタンダードをテーマにしたエッセイ『ジャズを詠む』を出版。

akiko-jazz.com

Informationakiko 『満たされた空虚』 Emptiness Fulfilled – inspired by “ADABANA”

発売:2024年10月2日発売 (デジタル配信同時リリース)
価格: ¥3,300 / 品盤:PCCR-00767

10月20日(日)
『徒花-ADABANA-』公開記念
akiko「満たされた空虚」リリーストーク&ライブ
https://www.books-ogaki.co.jp/post/56571

adabana-movie.jp

text : Seika Yajima