音楽を純粋に楽しませてくれる相棒。

密閉感のあるイヤホンが苦手で、〈コス〉のヘッドホンを5年ほど前から愛用しています。最初に使ったのは、大学生のとき。母から誕生日にもらったのですが、そのときはすぐになくしてしまったんです。その後、友人から薦められたのを機に、日々使うように。軽くてコンパクトに折りたためるうえ、1万円前後で買えるのでコスパもいいんです。仕事柄、高性能のイヤホンも持っていますが、好きな音楽を気軽に楽しみたいときにはこれがぴったり。ドビュッシーなどのクラシック音楽から、イギリスのシンガーソング・ライター、サンファの曲まで、ジャンルを問わず聴いています。街の喧騒も一緒に耳に入ってくるくらいの音のバランスも好きな理由。メカっぽさとチープさが共存したデザインは、ファッションのポイントにもなるので重宝しているんです。

中村佳穂 Kaho Nakamuraミュージシャン

京都を拠点に、ソロ、デュオ、バンドなど様々な形態で音楽を発信し続けている。デジタルシングル『スカフィンのうた』も配信中。

illustration : Megumi Sasaki text : Shoko Matsumoto

&Premium No. 131 LONG-TIME STAPLES / 使い続けたくなる、愛しいもの。

ファッションやライフスタイルにまつわるもの選びにおいて、時間をかけて長く付き合っていく姿勢が、これまで以上に必要とされているように思います。でも、ただ漫然と「長く使い続ける」ことだけが重要ではなく、それを使ったり、身に着けたときに、出合った頃と変わらぬ「愛おしさが続いている」ことも、忘れてはならない大切な要素なのではと考えます。初めて手にしたときの高揚感、作り手のこだわりに惚れ惚れとしたこと、使い続ける日々の中で紡がれた大切な思い出……。そういったさまざまな「記憶」が、人とものを、長きにわたって、幸せなかたちで繫ぎ合わせていくのです。〈ミナ ペルホネン〉のデザイナー・皆川明さんをはじめ、たくさんの方々に「使い続けたくなる、愛しいもの」にまつわるエピソードについて聞いてみました。

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