いまからできること

このような経済的負担を軽減するために、いくつかの改善策があります。

まず、国や自治体が提供する介護保険の適用を最大限に活用することです。要介護者であれば、在宅介護や訪問看護などのサポートを併用することで、老人ホームに依存しすぎることなく生活を支える方法もあります。

施設入居は高額になりやすいため、地域のデイサービスやショートステイなどを併用することで、家族の負担を分散させることが可能です。

次に、資産の見直し、活用する方法です。たとえば、自宅を所有している場合、リバースモーゲージを活用することで、住宅を担保に毎月の生活費を得ることができます。また、親が加入している生命保険やその他の資産を確認し、老後資金に役立てられるものがないかを見直すことも重要です。さらに、家族全員で介護にかかる経済的負担を分担することも考慮すべきです。

今回のケースのように一人で全ての費用を負担するのではなく、兄弟姉妹や親戚が協力して、費用の一部を分担することで負担が軽減します。また、今後の親の介護にかかる長期的なコストを予測し、計画的に貯蓄や資産運用を行うことが必須になってきます。

波多 勇気
波多FP事務所
代表ファイナンシャルプランナー