【後日談】大喧嘩した2人だったが…
大喧嘩をしてしまったAさんとAさんの父親でしたが、妻のBさんがあいだに入って、冷静に2人で話し合いをしました。
父親の言い分としては、「母さんやAとの思い出が詰まった家を離れたくないという気持ちと、お金でAに負担をかけたくない」というもの。
Aさんの言い分は、「田舎でひとり暮らしは、とにかく心配。進路を含めて『自分の好きにしなさい』と言ってくれたから今の自分があるし、親孝行くらいさせてほしい」とのことでした。
話し合いの結果、ひとりっ子であるAさんが生活の拠点を東京にしていることから、Aさんの父親は田舎の家を売却する決意をしました。そのお金は、入居一時金の一部に充てる予定です。Aさんからは、田舎の家を売却すると寂しいだろうからと、年に1回九州の田舎に旅行しようという提案をしました。
実家の売却も決まり、無事に施設への入居が決まったAさんの父親。いまはAさんと年に1回の旅行をどうするか仲良く話しているそうです。
今回は無事に仲直りした事例を紹介しましたが、実際には施設の入居をめぐって家族仲が悪くなったという話も少なくありません。“万が一”が起こったあとでは可能な対応は限られるでしょう。ライフプランを今のうちからしっかり考え、家族とコミュニケーションを取っておきましょう。
中山 梨沙
FP Office株式会社
ファイナンシャルプランナー