冬桜の品種や花の特徴
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冬桜と呼ばれる桜の中にもいくつかの品種があります。ここでは代表的な冬桜について、それぞれの花の特徴を解説します。
フユザクラ(冬桜)
フユザクラは、野生種のヤマザクラ(またはサトザクラ)とマメザクラの種間雑種と考えられています。秋冬には中輪の花を、春には大輪の花をつけます。その花は白色で一重咲きです。また、葉が小さいためコバザクラ(小葉桜)とも呼ばれています。
シキザクラ(四季桜)
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シキザクラは、野生種のマメザクラとエドヒガンの種間雑種と考えられています。この桜は白からピンク色の一重咲きの花を咲かせます。フユザクラとよく似た花を咲かせますが、シキザクラは萼筒が膨らんでいる点で見分けられます。
ジュウガツザクラ(十月桜)
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ジュウガツザクラは、エドヒガンとマメザクラの種間雑種とされるコヒガンザクラの園芸品種です。この桜は白色や薄いピンク色の八重咲きの花を咲かせます。また、ジュウガツザクラは10月から春にかけて断続的に開花します。
コブクザクラ(子福桜)
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コブクザクラの起源は、カラミザクラとコヒガンザクラ、カラミザクラとエドヒガン、またはカラミザクラとジュウガツザクラの交配種とする説があり、意見が分かれています。この桜は白色から淡いピンク色の八重咲きの花を咲かせます。子福桜の名前の由来は、1つの花から2つ以上のサクランボができることからきています。
カンヒザクラ(寒緋桜)
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単純に寒い季節に咲く桜を総称して冬桜と呼ぶ場合、カンヒザクラも含まれることがありますが、カンヒザクラは早春に1回咲く早咲きの桜であり、秋冬と春の2回咲く冬桜とは異なります。カンヒザクラは沖縄県、台湾、中国南部、東南アジア北部に分布する野生種の桜で、花色が濃いピンクであることが特徴。沖縄で「桜」と言えばカンヒザクラを指し、今帰仁城跡などが名所として知られています。別名はヒカンザクラ(緋寒桜)。
世界遺産にも登録されている今帰仁城跡の入り口に咲くカンヒザクラ。Mei Yi/Shutterstock.com
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冬桜の花が楽しめる名所
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冬桜は長い期間美しい花を楽しめるため、さまざまな公園や庭園にも植えられています。
ここからは冬桜を楽しめる名所をいくつかご紹介します。
城峯公園
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埼玉県児玉郡神川町にある城峯公園は、神山の中腹である標高500メートルの高台にあり、自然の美しさを満喫できる場所として知られています。特に、十月桜の名所として有名で、同時に紅葉も楽しむことができます。シーズン中は夜のライトアップが行われ、幻想的な風景を作り出します。例年10月下旬には「冬桜まつり」も開催されています。
小原の四季桜
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愛知県豊田市の小原地区は四季桜で有名で、地区内のいたるところに10,000本を超える四季桜が植栽されています。周辺ではさまざまな場所で四季桜が見られ、小原ふれあい公園ではおよそ300本、川見四季桜の里ではおよそ1,200本の四季桜と紅葉のコントラストを楽しむことができます。例年、11月中旬からは「小原四季桜祭り」も開催されます。
桜山公園
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群馬県藤岡市にある桜山公園では、約7,000本の冬桜が見られます。主な品種は小葉桜や十月桜などです。特に11月中旬には、冬桜と紅葉の両方を楽しむことができ、美しい風景が広がります。また毎年12月1日には「桜山まつり」が開催されます。
瑞泉寺
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神奈川県鎌倉市にある瑞泉寺は、臨済宗のお寺で、境内にはさまざまな花が楽しめる国指定名勝の庭園があります。本堂前に咲く冬桜は、水戸黄門こと徳川光圀のお手植えだとされています。