「10万円貸してほしい」と親友から言われた。貸すべき?断るべきか? 相手の覚悟を測る、ひろゆきの“ズルい”言いまわし

仕事やプライベートで「なぜかうまくいく人」は、どんな言葉を使っているのか? 実は賢い人ほど、相手から期待通りのリアクションを引きだす「ズルくてうまい言いまわし」を日頃から駆使している。

どんな言葉を使えば物事がスムーズに進むのか? 様々なシチュエーションごとに「ダメな言い方」「うまい言い方」を解説した、ひろゆき氏の新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』から、テクニックの一部を紹介しよう。

◆友達からの借金依頼を断る言葉

親友から「10万円貸してほしい」と言われた。貸せなくはない額だが、貸したお金が返ってこなくて返済の催促をすることになると、友情が崩れそう。やんわりと断りつつ、今の関係を壊さずに済む言葉はないか?

◆お金と友情を天秤にかけて、相手の覚悟を測りましょう

 そもそも貸したお金が催促もせずにきちんと返ってくるなら、お金を貸すか悩むことはありませんよね。問題は、お金が返ってこないときです。

 これは僕の考えなのですが、友達にお金を貸すのは、最悪“お金”か“友情”のどちらかを失ってもいいときだけです。

 例えば、お昼ご飯を同僚と食べに行って、財布を忘れた同僚がいた場合。昼食代の1000円を貸すことを悩む人は少ない。それは少額であればお金を失ってもいいと考えるからです。

 でも、10万円が返ってこない可能性があるなら、みんな躊躇する。貸したお金が返ってこないときに、返却の催促などで人間関係にわだかまりができると面倒ですし、催促するほうもされるほうも嫌な気持ちになりますしね。

 なので、躊躇する額なら「お金を貸すと、お金か友情を失うから嫌だ」と言ってみるといいと思います。それでも借りたがるなら「じゃあ、友情を失っていいの?」と聞いてみる。相手が本当にあなたのことを友達と思っているなら、友情を失いたくないと考えてお金を借りるのを諦めるはずです。

 ここまで言っても、「友達なのに信用してないの? つまり友達ではないってこと?」などと食い下がってきたら、その時点で相手は友情よりもお金を選んでいるということ。残念ながらあなたは友達扱いされていないので、お金を貸す必要もないです。

 一番ダメなのは、「お金を貸すのは君のためにならない」など説教をすること。説教なんてしたら貸す・貸さない以前にわだかまりができます。

 そもそも借用書も用意せずにお金を貸してくれと言う人は、相手を軽く見ています。相手のことを考えている人ほど、借用書を作ったり、返済期間が過ぎたら利息を支払うくらいの覚悟とリスクを自らに課すと思うのですね。

 そういったリスクを負わずに借金をしようとしている時点で、相手のことを軽視しています。

◆お金を返してほしい場合は…

 一方、すでに貸したお金を返してほしい場合は、「いつごろ返してもらえそう?」などと、下手に出るのがいいと思います。相手が借金を忘れているだけなら「ごめん忘れてた!」となるし、友達だと思っているならすぐ返してくれるはずです。

 そこで貸した側が下手に出るのはおかしいと思うぐらいなら、お金か友情のどちらかをさっさと諦めたほうがいいでしょうね。

◆友達からの借金依頼を断るには…

× お金を貸すのは、君のためにならない

◎ 君は友情を失ってもいいの?

構成/杉原光徳(ミドルマン)

―[賢い人が自然とやっているズルい言いまわし]―

【ひろゆき】

西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』