文具のとびら編集部
パイロットコーポレーションは、東京・京橋の本社ビル1階エントランスギャラリーで、「海を渡った漆芸品展」の展示を2024年10月2日から2025月1月31日まで開催中(平日9:00~17:00/土日祝日・年末年始は、休業日)。見学は無料。
「ダンヒルナミキ」の蒔絵万年筆などずらり!
大正時代に日本の万年筆を海外へ広めることを目的に、パイロットの営業員が蒔絵万年筆を携えて海を渡った。そして、1930年(昭和5年)にはイギリスのダンヒル社と販売代理店契約を結び、日本の伝統工芸である蒔絵製品は世界に広まっていった。今回は、さまざまな蒔絵技法を施した万年筆やパイプ、シガレットケースなど34点の作品を展示している。
1990年代以降に製作された「ダンヒルナミキ」ブランドの蒔絵万年筆13点を展示。標準的なサイズの万年筆は6点展示されており(上写真)、いずれも90年代のもの。ここに展示されている2000年以降の万年筆はすべてラージサイズで(下写真)、筆記具として使うというよりは、美術品として飾るのに相応しいものばかりだ。
ダンヒルナミキ75周年を記念して2005年に製作された万年筆「サクラ&ローズ」。日本を代表する花である「桜」と、イギリスの国花である「バラ」、日英両国を象徴するモチーフをデザインした華やかな逸品。
(右から)2010年製作の「海亀」、2012年製作の「七夕」、2019年製作の「義経」。いずれもわずか15本しか作られなかったという希少価値の高いものばかり。海外向けだからだろうか、日本で見られる蒔絵万年筆よりも色彩が派手な気がする。
ダンヒルといえばライターなどの喫煙具も有名なので、「ダンヒルナミキ」ブランドでは万年筆だけでなく蒔絵を施したパイプも作られている。
蒔絵を施したシガレットボックスも展示。「金魚」は、縁起物ということもあり、パイロットの蒔絵作品の中でも描かれることが多いモチーフだという。
ヘアブラシやくし、手鏡など6点を揃えた「身嗜みセット」。すべて「鵜」をモチーフにしているが、鵜飼いの場面を描いたものだったり、鵜が羽ばたく姿を描くなど、ストーリー性のある絵柄になっているのが特徴だという。
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