親の相続財産をどうするのか、ベストな選択を

長年お父様が保有していた不動産ですから、子どもとしては手放すのにためらいがあるかもしれません。しかし、ご自分の遺産が大切なお子さんの将来を脅かすのは、亡きお父様も本意ではないでしょう。

アパートの土地を売却すれば、その代金でご自宅マンションの住宅ローンを繰上げ返済することができます。あるいは、土地を売った資金を元手に、NISA等による資産運用を行ってもいいでしょう。住宅ローン金利よりも投資信託の利回りのほうが高いですから、その場合は無理して住宅ローンを返済する必要はありません。

不動産経営で重要なのは「確実に利益を生み出せるかどうか」という点です。「親からもらった財産だから…」などといって、ご自分のお金を注ぎ込んでまで保有を続ける人がいますが、それでは意味がないのです。

状況を冷静に見極めたうえで、ご自身にとってメリットとなる、ベストな選択をしてください。

岸田 康雄
公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)